ローマ国際映画祭でまたまた1,000人の労働者たちがデモ!レッドカーペットに突入!
イタリアで開催中の第5回ローマ国際映画祭で現地時間4日、またも約1,000人のデモ隊が押し掛けて、レッドカーペットを占拠しようとする彼らと警察とで一時、一触即発の緊迫した状態となった。
同映画祭では10月28日のオープニングで、政府の文化関連予算削減などに抗議した俳優らがレッドカーペットを占拠し、イベントが中止となる騒動が起こったばかり。今回抗議を行ったのは、パートタイムや非常勤のために住宅ローンなど公的サービスを受けることが出来ない労働者たち。彼らは自分たちの生活が保障されていないにもかかわらず、ローマ市と政府が多額の予算をつぎ込んでいる映画祭を標的にしたようだ。28日の反省も踏まえ、警察はデモ隊がレッドカーペットに侵入できないようにゲートを封鎖。そのため、約30分ほどゲートでの押し問答が繰り広げた。
同時間には映画『借りぐらしのアリエッティ』の上映が行われていたが、支障はなかった。しかしEXTRA部門で招待上映された『-X- minus by minus』の伊月肇監督は、今まさにレッドカーペットを歩こうと足を踏み出した瞬間にデモ隊が突入し、騒動が沈静化するまで30分ほど待機させられることに。その後に行われた公式上映も、開始が遅れてしまった。
伊月監督は『-X-』を製作費400万円を集めて自主製作し、映画祭参加は今回が初めて。劇的な映画祭デビューとなってしまったが「最初は何事が起こったのかと思いました。でも、映画祭初参加で貴重な体験をするなんて、自分は何か持ってますね」と、サッカー日本代表・本田圭佑ばりのコメントで前向きにハプニングを捕らえていた。
映画『-X-』は、大阪の郊外を舞台に、痛みを抱えた人たちが再生するまでを描く群像劇。2007年に撮影したものをようやく今年、完成までこぎ着けた力作だ。その間、出演女優の寿美菜子が映画化も決定した話題のアニメ「けいおん!!」の琴吹紬役の声優としてブレイク中で、ファンの間で劇場公開が待たれている。(取材・文:中山治美)