ジェームズ・L・ブルックスとジャック・ニコルソンの名コンビが復活!
映画『愛と追憶の日々』で監督賞と脚色賞を受賞したジェームズ・L・ブルックスが新作『幸せの始まりは』について、出演者のジャック・ニコルソン、リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン、ポール・ラッドと共に語った。
同作は、プロソフトボール選手のリサ(リース・ウィザースプーン)とメジャーリーガーのマニー(オーウェン・ウィルソン)、そしてまじめな会社員ジョージ(ポール・ラッド)の三角関係を描いたロマンティック・コメディ。ジョージの父親役をジャック・ニコルソンが演じている。ジェームズ・L・ブルックスが映画『恋愛小説家』以来、久しぶりにジャック・ニコルソンとコンビを組んだことも注目だ。
久しぶりにジェームズ・L・ブルックスとタッグを組んだことについてジャックは「ジェームズは俺にとってもかなり身近な人物で、また彼と共に仕事ができたことは非常に名誉なことだった。個人的には、彼は世界を代表する脚本家だと思っている。彼はいつも素晴らしい題材を扱って、さらにそれに負けないくらいの素晴らしいキャスティングをしている。もちろん、彼と仕事をしたことで、俺がアカデミー賞を受賞したのも友人関係を深めた理由なのかもしれないけれどね……(笑)」と尊敬している友人という印象がうかがえた(ちなみにジャックは、ジェームズが監督した『愛と追憶の日々』でアカデミー賞助演男優賞、『恋愛小説家』でアカデミー賞主演男優賞を受賞していて、非常に相性がいい)。
また、リース・ウィザースプーンは自身が演じたリサ役について「わたしはこれまで数多くのロマンティック・コメディで恋愛に対して冗舌だったり、男性のことをいつも話している女性役を演じてきたけれど、今回の役は自分の感情をうまく伝えられないの。例えば、わたしのキャラクターがオーウェンが演じたマニーに、もしわたしが夜中に起きて泣いていても無視してね!というシーンがあるけれど、そんなことを言う女性は現実には居ないでしょ! だから、そんなところが普段のわたしが演じるような役じゃなくて、すごく面白いと思ったの」とこれまでのリースとは違った役であると強調した。
映画内では失業者や経済不振が扱われているが、現在の経済状況の影響によるものなのか、との質問にジェームズは「確かに僕は影響を受けてきたと思う。人間同士の中傷なども含めた、あらゆる悪い部分も今度の経済不振で見てきた。僕は今回のこの経済不振の話で、いわゆるアメリカ経済の悪の典型にある人物を描き、その人物こそがジャックが演じた役になっている。実際にこういう人物たちが、アメリカの多くの会社のトップに繁殖しているんだ。そのほかに問題なのは、人々がモデルとするような尊敬できる人物の不在にもあると思うんだ。だが最終的に、そんな経済状況下だからこそ、家族や仲間同士で助け合うということが必要であると思っている」と真剣な目つきで話した。
映画は、ジェームズ・L・ブルックス特有のアクセントの効いた作品で、単なるロマンティック・コメディだけではないところが魅力である。日本では、2月11日公開予定だ。
(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)