『サウンド・オブ・ミュージック』の実在のモデル、トラップ一家の長女が死去
不朽の名作『サウンド・オブ・ミュージック』の題材となった実在するトラップ一家の長女アガサ・ファン・トリップが、28日(火曜日)ボルチモアの郊外にあるタウソンのホスピスで、うっ血性心不全で亡くなったことがAP通信によって明らかになった。
アガサ・ファン・トリップは、オーストリアの海軍大佐であった父親ゲオルク・リッター・フォン・トラップと、ゲオルクの最初の妻アガサ・ホワイトヘッド・フォン・トラップのもと長女として生まれ、激動の第2次世界大戦を経たあとに、約50年近くカトリック教区で幼稚園を経営していた。
アガサの父親ゲオルクは最初の妻が亡くなったあとに、家庭教師であったマリア・アウグスタ・クチェラと再婚し、そのマリアが亡くなった前妻の子供たちと自らの3人の子供たちを合わせ、トラップ・ファミリー合唱団を結成して有名になった。さらに、マリアが執筆した自叙伝をベースにした映画が、あの『サウンド・オブ・ミュージック』として映画化され、そのマリア役を演じたのがあのジュリー・アンドリュースであった。
映画内で長女アガサ役はリーズルという役名に変更され、女優チャーミアン・カーが演じていた。だが、この映画の感想についてアガサは「父親が厳し過ぎるという誤った解釈をされているわ、実際はもっと愛情のある、優しい父親だった」として、初めて鑑賞した際に泣いたことをアガサの友人であるメアリー・ルイーズ・ケーンが明かしたそうだ。
ただ、アガサは「この映画が自分の家族をベースにした映画でなければ、もっと楽しめた」とも語っていたため、映画としての評価は高かったようだ。ちなみに、彼女が執筆した本当の自分の家族の姿を綴った自叙伝「メモリーズ・ビフォー・アンド・アフター・ザ・サウンド・オブ・ミュージック / Memories before and After the Sound of Music」(原題)は、今年の9月に発売されている。