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アカデミー賞の呪い?離婚・破局・上映中止…受賞者を待ち構える運命とは?

第83回アカデミー賞

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早川雪洲が出演した名作『戦場にかける橋』より
早川雪洲が出演した名作『戦場にかける橋』より - (c)1957, renewed 1985, 1995 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

 先日のノミネート発表で、いよいよ本格的な盛り上がりを見せる映画界最大の祭典、アカデミー賞。各候補者は授賞式当日まで、さぞや緊張と興奮で眠れない日々が続くことだろうが、これまでの歴史をひもとくと、悲願のオスカー像を手にした受賞者には、オスカーの呪いといわれるさまざまな不幸だけでなく、社会に影響を及ぼすことがわかる。時に人生さえ狂わせてしまうアカデミー賞の影響を検証した。

 まず、挙げられるのが主演女優賞の受賞者に襲い掛かる悲劇だ。昨年、映画『しあわせの隠れ場所』でついに主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックは、その直後に夫の不倫が発覚し、どろどろの離婚劇を演じるはめに。先日、元夫のジェシー・ジェイムズは離婚から7か月でさっさと婚約したことも明らかになり、サンドラにとってはトホホな結末となった。実はハル・ベリーヒラリー・スワンクら主演女優賞ゲットの後、破局してしまうケースは後を絶たない。主な原因は受賞後に広がってしまう夫婦間の格差。映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で主演女優賞を受賞したリース・ウィザースプーンはその典型だ。さらに映画『ハワーズ・エンド』で主演女優賞を受賞し、映画『いつか晴れた日に』で脚色賞を受賞するなどマルチな才能を発揮したエマ・トンプソンも、いまだオスカー無冠の夫ケネス・ブラナーと別れの道を選んでいる。もちろん、それだけが離婚の原因とはいえないが、何かしら影響を与えているのは確かだろう。

 また、アカデミー賞の結果は社会的情勢を敏感に反映した「時代の鏡」ともいわれるだけあって、受賞作には大きな影響力がある。昨年、ドキュメンタリー長編賞を受賞した映画『ザ・コーヴ』をめぐる騒動も記憶に新しいところ。脚光を浴びた結果、日本では一部の市民団体による上映中止を求める抗議活動が起こり、実際に上映を取りやめる劇場も出たほど。一方、映画『不都合な真実』がドキュメンタリー長編賞を受賞し、環境問題に対する意識が一気に高まるなど良い影響を及ぼすケースもある。ほかにも映画『ディア・ハンター』が作品賞を受賞したことで、ベトナム戦争での戦死者を悼む記念碑が設立されたり、脚本賞を受賞した映画『JUNO/ジュノ』をきっかけに、ティーンの妊娠問題がクローズアップされるなど、アカデミー賞受賞作は社会を動かす力も持っているのだ。

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 日本人にとっても、アカデミー賞の影響や恩恵は計り知れない。古くは映画『サヨナラ』で助演女優賞を受賞したナンシー梅木や、映画『戦場にかける橋』で助演男優賞候補になった早川雪洲。世界のミフネと称される三船敏郎は、オスカー3冠のアクション大作『グラン・プリ』でハリウッドに進出した。最近では映画『ラスト サムライ』の渡辺謙、映画『バベル』の菊地凛子がそれぞれ助演賞候補となり、一躍世界が注目する存在となり、ハリウッドでの活躍も目覚ましい。渡辺は本年度アカデミー賞で8部門ノミネートを果たした『インセプション』でも大活躍だった。

 果たして今年はどんな受賞結果となるか? その後、受賞者を待ち構えるドラマにも注目したい。

 映画『戦場にかける橋』は2月16日(水)午前9:40よりWOWOWにて放送

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