アカデミー賞主演女優賞はナタリー・ポートマンに栄冠!主演女優賞初ノミネートで受賞の快挙!
第83回アカデミー賞
現地時間27日(日本時間28日)、米ロサンゼルス・コダック・シアターで行われた第83回アカデミー賞授賞式で、映画『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞した。子役のころから優れた演技力で存在感を発揮してきたナタリーは、全身全霊で挑んだ主演映画『ブラック・スワン』で、アカデミー賞の前哨戦であるゴールデン・グローブ賞でも主演女優賞を受賞しており、勢いそのままにオスカーを獲得。ナタリーは過去に映画『クローサー』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた経験を持つが、主演女優賞は今回初めてノミネートされ、見事受賞という快挙を成し遂げた。
『ブラック・スワン』はバレエの名作「白鳥の湖」をモチーフに、プリマに抜てきされた内気なバレリーナ・ニナ(ナタリー・ポートマン)の心の葛藤をサスペンスタッチで描く物語。メガホンを取ったのは、映画『レスラー』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したダーレン・アロノフスキー。夢をあきらめた母親からの執拗(しつよう)な期待や、プリマの座をほかのダンサーに奪われるのではないかという不安で、精神のバランスを崩し現実世界と幻覚が入り交じったニナの内面を、巧みな映像効果でスリリングに描く。
そんな『ブラック・スワン』で孤高のバレリーナを演じたナタリーは、本役のために撮影の10か月前からバレエレッスンを実施。厳しい食事制限で減量も行い、劇中のダンスシーンはほとんどの場面をナタリー本人が演じている。また、共演のミラ・クニスとの大胆なレズビアン・セックスシーンにも挑み、迫真の演技で新境地を開いた。そしてその努力が報われるかのように、第68回ゴールデン・グローブ賞のほか、英国アカデミー賞、全米映画俳優組合賞など多数の賞で主演女優賞を獲得。それゆえにナタリーはアカデミー賞主演女優賞の大本命として注目されてきたが、映画『ラビット・ホール(原題) / Rabbit Hole』のニコール・キッドマンや、『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングら、ほかの候補者を抑えて見事に栄冠を手にした。
役づくりのため自己を極限まで追い込むという役柄ともリンクする努力を惜しまなかったナタリー。そんな彼女だからこそ、プロのダンサー顔負けの渾身(こんしん)の演技を披露することができたのではないだろうか。
第83回アカデミー賞授賞式はWOWOWにて生放送中 2月28日21:00よりリピート放送
映画『ブラック・スワン』は5月13日より全国公開