ジャパニーズ・ホラーの巨匠・鶴田法男監督 噂の低予算映画『コリン LOVE OF THE DEAD』を絶賛!!
26日、本日より開催されている「東京国際ゾンビ映画祭2011」の初日イベントが、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ“ジャパニーズ・ホラー”の巨匠・鶴田法男監督が登場。同映画祭で特別先行上映される映画『コリン LOVE OF THE DEAD』への賛辞を述べた。
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鶴田と言えば、91年に自らが企画し制作した同名ホラー・コミックのビデオ映画化「ほんとにあった怖い話」で、独特な表現方法を駆使し、のちの日本のホラー界に多大な影響を与えた人物。そんな彼が、世界中で完成度の高さが評判になり、今回の映画祭でも特別先行上映される映画『コリン LOVE OF THE DEAD』について「ゾンビが主人公の映画なのに、すごく切ない気分になりました。こんなゾンビ映画観たことないですよ」と語る。
その要因となっているのは「マインドが高尚であること」だと言う。「ゾンビという部分を強調するのではなく、コリンという主人公の心を丁寧に描いている。低予算と聞いていたが、一流映画に匹敵するマインド。鑑賞後、なにがなんでも応援したくなりました」と想いを吐露する。
しかし、最初にこの映画の話を聞いたときは、“絶望的な気分”になったという。「だって45ポンド(約6,000円弱)で作ったっていうじゃないですか! 絶対に引き合いに出されて、低予算で面白い映画を作ってくれって言われるに決まってる……。もう監督なんてやってられないって思いましたよ」と苦笑いで当時の心境を述べる。
また、監督のマーク・プライスと話したさいには「とても良い作品だけど、やっぱりもっとこうしたい……とかいう思いがあったので、ぼくがリメイクしたいって言ったんです」と裏話を披露。それに対してマーク・プライス監督は言葉を濁していたというが、もしかしたら鶴田流『コリン LOVE OF THE DEAD』がいつか公開されるかもしれない。
映画『コリン LOVE OF THE DEAD』は、世界中にゾンビが発生し、社会生活が麻痺してしまった世の中で、自らもゾンビになってしまった主人公の青年コリンが、かすかな記憶をたどり、かつての恋人との思い出の場所を目指してさまよう姿を切なく描いた切ないゾンビ映画。製作費がわずか45ポンド(約6,000円)ということでも話題になっている。
「東京国際ゾンビ映画祭2011」は3月4日まで開催。映画『コリン LOVE OF THE DEAD』は3月5日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開