泉谷しげる、ニコニコ生放送で応援ライブ「報道は映像災害コンテストをやるな!千葉や茨城だって大変だ」
19日、原宿のニコニコ本社でニコニコ生放送の特別番組「泉谷しげるのチャリティトーク&ライブ ~日本を救え!~」の収録が行われ、ミュージシャンの泉谷しげる、中村中、嘉門達夫らが参加。日本を元気付けるための応援ソングを披露した。
頼りになるのは、やはり口の悪いこの男だ。本番組は、ミュージシャンの泉谷しげるが東日本大震災被災者支援のために、トークおよび音楽ライブを行うというチャリティ番組。WEBサイト上で再生される動画にリアルタイムでコメントを付けられる「ニコニコ動画(原宿)」で生中継され、この日は4万人以上が視聴する中、放送は開始した。放送に登場するなり「一日一偽善、売名行為のためにやってきました。こんなときに不謹慎だとか、音楽を聴いている場合じゃないとか、そういうことは出てくるだろうけど、そんなヤツは聴くな! 観たくないヤツはスイッチを消せ! オレたち昭和の男は放射能育ちだからな! 日本はもともと地震国なんだから、自信を持ってくれよ」とダジャレ交じりに吼えるなど、泉谷節は絶好調。
しかし東北でコンサートをする機会が多い泉谷だけあって、東北の現状には心を痛めている様子。それだけに、「報道は、迫力の映像を撮るための災害コンテストはやっちゃいけないんだよ。千葉や茨城だって大変なんだから。もっと全体を見なきゃ。東京の人たちだって、批判されてばかりだけど、よく耐えてるよ。こんなときは募金どころじゃないよな。だから今までは『お前ら募金しろ』と言ってきたけど、これからは『お前ら、勝手に募金しろ!』ということにしたよ」と訴えかけた。さらに西日本に対しても「損害をまぬがれたところは元気にしてくれて、支えてくれないと困るよ。関西や九州なんかが、日本経済の半分を支えてくれよ!」とエールを送った。
そしてこの日の出演者である中村、嘉門も“勝手に”参加したとのことで、泉谷も「頼んでいないのに本当に勝手に来てくれた。でも頼まれて来るよりも自分で勝手に来るほうが力があるよね」と二人の気持ちがうれしくてたまらない様子。そんな二人と、泉谷の曲「Y染色体のうた」「黒いカバン」や、美空ひばりの「柔」、そしてさらに嘉門が被災者を笑わせるための替え歌を披露するなど、会場の盛り上がりは絶好調。そして最後は名曲「春夏秋冬」で締めくくり。再生への祈りを込めた歌詞を聴いたユーザーたちは「88(パチパチ)」というコメントで画面を埋め尽くした。その様子を見た泉谷は「すごいですね……。でもまた(ニコニコ動画に)来ると思ったら大間違いだぞ!」と毒づいたが、その顔は充実感にみなぎっていた。
そして放送後、報道陣の取材に答えた泉谷は「みんなね、そのうちきっとおれたちが必要になるはずだから、呼ぶように! おれらも向こうが来てくれというリクエストがない限りは勝手に行くわけにはいかないんだから。有名人は八つ当たりされてしまうものだから、そういう対象になってやろうじゃないか。どんどん文句を言ってくれればいい。そうしたらその声をバカヤロー、と代弁するから」と被災地にメッセージを送った。(取材・文:壬生智裕)