震災の影響で映画の興収落ち込む中『ワンピース』『プリキュア』が初登場 子どもたちの笑顔で映画館も明るく
映画週末興行成績
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、東日本の主要な劇場は休館や営業時間短縮などを余儀なくされたが、関東圏を中心に19日から営業を再開した劇場も増えている。しかし、震災による映画業界全体への影響は大きく、例年に比べても興行成績はかなり落ちこんでしまっているのが現状。初日舞台あいさつなど、芸能人が登壇する映画関連イベントが軒並み中止となっていることから、十分に宣伝活動が行われないままに公開を迎える作品も多く、しばらくは映画業界も苦境が続きそうな状況だ。しかし、日本の経済活動を停滞させないためにも、しばらくは地震の被害が少ない西日本による映画興行の盛り上げに期待したいところだ。
そんな中で2週連続首位を獲得したのは『SP 革命篇』。10日間の累計動員は80万6,861人、累計興収10億1,501万9,500円を突破。そして前週に続き2位となったのが『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』で、こちらは17日間の動員95万439人、興収10億5,240万6,000円を突破した。
3位には『映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス)3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花』が初登場。全国130スクリーンで公開された初日2日間成績は動員12万4,115人、興収1億3,534万6,300円となった。さらに連休3日間の成績は18万2,690人、興収1億9,880万6,500円となった。そして4位の『塔の上のラプンツェル』、5位の『ツーリスト』、6位の『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』がそれぞれ1ランクずつダウンという結果になった。
7位に初登場となったのは『ONE PIECE ワンピース 3D 麦わらチェイス』。こちらは『トリコ 3D 開幕!グルメアドベンチャー!!』との同時公開で全国125スクリーンでの公開。初日2日間の成績は動員8万4,480人、興収1億1,351万2,200円。さらに初日3日間では動員が12万9,903人、興収が1億7,405万300円という結果になった。春休みということで、今週は本作を含め、4本のアニメ作品がランクイン。各地の劇場には、子どもたちが多数来場し、明るい雰囲気だったという。
続く8位は、品川ヒロシ監督作の『漫才ギャング』が初登場。全国192スクリーンの公開で、初日2日間の動員が6万8,206人、興収8,600万4,500円。さらに初日3日間では動員が11万934人、1億3,912万8,600円という結果になった。角川シネマ有楽町における初日舞台あいさつ上映回の売上げの45万4,000円、初回終了後の劇場ロビーでの募金額である18万9,228円 、さらには翌日に大阪の梅田ブルク7となんばパークスシネマで行われた舞台あいさつ上映回の売上げなど合計225万5,228円が日本赤十字社を通じて、東北地方太平洋沖地震被災者への義援金として寄付されたことが報告されている。そして9位は『英国王のスピーチ』、10位は『GANTZ』、11位は『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』という結果になった。
今週末は『ザ・ファイター』『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』『わたしを離さないで』『ビー・デビル』『イリュージョニスト』『ピュ~ぴる』などの作品が公開予定となっている。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)