中谷美紀、被災地に思いをはせ突然の涙「涙が笑顔に変わることを祈っております」
24日、第3回沖縄国際映画祭で行われた、映画『阪急電車 片道15分の奇跡』の舞台あいさつに登壇した中谷美紀が、東日本大震災の被災者に思いをはせ、突然の涙を流した。舞台あいさつ冒頭から「沖縄が大好きです」と語っていた中谷は、「ゆいレール(沖縄県を走るモノレール)の“ゆい”は“結ぶ”という意味だと聞いております。この『阪急電車』も街と街を結び、人と人を結ぶ作品です」と本作について語ると、突然声を震わせ、目に涙を浮かべた。そして、必死に涙をこらえながら「今日本中には困難な思いを抱える方々がたくさんいらっしゃいますが、そうした方々の涙が笑顔に変わることを祈っております」と被災地の方々に向けてメッセージを送った。そんな中谷に、会場にはもらい泣きをする人の姿も見られた。
この日の舞台あいさつには、中谷のほか、南果歩、メガホンを取った三宅喜重監督も登壇。東日本大震災を受け、脚本家で放送作家の小山薫堂と共に支援サイト「kizuna311」を立ち上げ「被災者の方々にとっての光となり得るようなコンテンツをボランティアで作り、そのコンテンツでさらに新たな『絆』を届けられないか」と活動を行っている俳優・渡辺謙を夫に持つ南は、今年の沖縄国際映画祭がチャリティーイベントとして開催され、募金活動などを行っていることに触れ、「映画の仕事でチャリティーに参加できるというのは、俳優冥利(みょうり)につきること。今、東日本大震災を受けて、いろいろな思いを抱える地域の方々がいらっしゃると思います。元気な方は元気でいることが1番。沖縄の人々の笑顔を東京に持ち帰り、東北の人々に届けたいです」と一言一言しっかりと言葉を選ぶように、自身の思いを語った。
『阪急電車』は、三宅監督が当初から「観た方々に元気を届けたい」との思いで作った作品だという。偶然電車に乗り合わせた人々の人生が交錯し、それぞれの人生に良い影響を与えていく様子を描いた本作は、三宅監督の思いの通り、心温まる作品に仕上がっている。中谷は「本作のテーマは“終着駅はきっと笑顔”。この映画を通して温かい笑顔を届けられれば」と語ったが、震災に揺れる日本にも、本作のテーマと同じように、人々の笑顔が戻る日が一日も早く訪れることを祈りたい。(編集部・島村幸恵)
映画『阪急電車』は4月23日より関西先行公開の後、4月29日より全国公開