オリラジ、福田沙紀に「ちゃらい」と言われるも沈痛な面持ち…レギュラー番組、撮影地が被災「現場に行けるよう話し合い中」
東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方・青森県を舞台にした映画『津軽百年食堂』の公開初日舞台あいさつが2日に有楽町スバル座で行われ、出演者の藤森慎吾・中田敦彦(オリエンタルラジオ)、福田沙紀、ちすん、早織、前田倫良、永岡佑、春日井静奈、森沢明夫(原作者)、そして大森一樹監督が登壇。観客の前では明るい掛け合いを披露した一同だったが、終了後に囲み取材に応じた藤森・中田・福田は一日も早く被災地の復興を願う思いを語った。
共演した藤森の印象について聞かれた福田は「すごく優しかったし、芝居に対してもマジメに取り組んでいた。スケジュールが忙しい中なのにセリフも間違わず、素晴らしい姿勢だと思いました」とベタ褒めする。鼻の下を伸ばしっぱなしの藤森だったが、「テレビで見たらすごくチャラかった。わたしは藤森さんのチャラいキャラを知らなかったのでビックリしました」と福田が続けるとたちまち意気消沈。相方の中田に「僕は藤森の悪いところを8年間見てきました」と悪事をばらされそうになると、「絶対言うんじゃないぞ」と大慌てだった。
芸人らしい掛け合いで会場を盛り上げた藤森と中田だったが、舞台あいさつ終了後の囲み取材で東北地方への思いを聞かれると沈痛な表情を浮かべる。藤森が「撮影で行った場所も被害にあったと聞いてショックを受けた。撮影時は地元の方にたくさんの笑顔をいただいて元気と勇気をもらったし、僕たちは宮城でテレビのレギュラー番組を持っていて、そこでもたくさんの笑顔をもらってきた。今度は僕たちが皆さんに恩返しをして一日でも早く笑顔になっていただきたい」と真摯(しんし)に語れば、一方の中田も「お笑いの人間に何ができるかと考え込んでしまうが、何かしていきたいと思っている。直接現場に行けるよう話し合っているので、行ってできることを探そうと思っている」と被災地へ駆けつけたいとはやる気持ちを抑えられない様子だった。
また震災の前日に青森を訪れていた福田も「前日に青森を訪問して、たくさんの地元の方に温かく迎えてもらったので、すごく心配しましたし、テレビでしか情報が得られないのでもどかしい気持ちにもなりました。できることを協力して、一日も早く今までの日常を皆さんが過ごせるようになればと思います」と思い入れの深い東北へ思いをはせていた。
『津軽百年食堂』は、父との確執で100年続く食堂を継がずに故郷を捨てた若者が葛藤(かっとう)を乗り越え、4代目として伝統と店を受け継ぐ姿を、初代店主の人生と重ねて描く人間ドラマ。本作は「東北地方太平洋沖地震 復興支援映画」として収益の一部が被災地復興のために寄付されるほか、この日の上映前には出演者たちによる募金の呼びかけも行われた。(肥沼和之)
映画『津軽百年食堂』は本日より有楽町スバル座ほか全国順次公開