三池崇史監督が震災後行方不明の報道が世界を駆け巡り一時騒然 世界が心配した事の顛末
東日本大震災の被害が世界各国でも大きく報道されている最中、なぜか「三池崇史監督が震災後行方不明」なる誤報記事が報じられていたことがわかった。報じたのは、ベルギー・フランドル地方の新聞「Nieuwsblad」の3月26日のwebサイト版。内容は「ミイケは3月17日の天災後、消息不明となっている。地震と、その後に起こった津波の被害に遭った可能性が高い」というもので、東日本大震災が起こった日付も間違っている。その後、読者から過ちを指摘されたのか、記事は削除された。
掲載された経緯は不明だが、誤解を招く要因はあった。実は『十三人の刺客』の全米公開を記念して、3月16日~20日、米国・ニューヨークのリンカーン・センターで傑作『極道戦国志 不動』など旧作14本を上映する大規模な特集上映が行われることとなり、三池監督もゲスト参加する予定だった。しかし3月11日に東日本大震災が起こり、三池監督が搭乗するはずだったフライトそのものが欠航に。結局、国内の非常事態とあって、三池監督は渡米そのもののキャンセルを決断した。
恐らくこの情報が世界の三池ファンを心配させたのだろう。フランスの「レッド・ヘルメット・ファンデーション」が開設している失踪者サイトにも、三池監督の安否情報を求める投稿が書き込まれた。ベルギーの新聞社は、このサイトの情報を確認せずに、そのまま転載してしまったようだ。
ちなみに三池監督は渡米できなかったお詫びにと、3月17日には、ニューヨークの会場と東京をインターネット回線で繋いで、観客のQ&Aに答えている。また現在は都内で市川海老蔵主演の時代劇の編集を行っているほか、初夏に入る新作の準備も併行して行うなど、相変わらずエネルギッシュに活動している。
いまだ多くの安否不明者がいる中、今回の誤報は何とも人騒がせなものだったが、これも、“世界のミイケ”として常に動向が注目されている人気者の試練なのかもしれない。(取材・文:中山治美)