松たか子主演『四月物語』を無料配信 宮城県出身の岩井俊二監督「つかの間でも楽しんでいただけたら幸い」
東日本大震災で被災した宮城県仙台市出身の岩井俊二監督が、自身のオフィシャルサイト「岩井俊二映画祭」で、監督・脚本・編集を手掛けた映画『四月物語』を期間限定で無料配信していることがわかった。岩井監督は震災直後からツイッターなどを通して家族や知人、被災地の状況などを心配し、皆の無事を祈っていた。「今年は大変な年になってしまいました。心が折れそうになるときもあるかと思います。けど日本人のチカラを信じたい。未来を信じたいです」と岩井監督は力強く励ましのメッセージを発信している。
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岩井監督をはじめとする「岩井俊二映画祭」は、日本全体が元気を取り戻すことを願って『四月物語』の無料上映を決定。4月30日までの期間限定で、同サイトのトップページから鑑賞可能だ。岩井監督はツイッターでのやりとりの中で観たいという要望が多かったことから、感謝の意味も込めて同作をサイトに公開したという。また「つかの間でも楽しんでいただけたら幸いです」とコメントを寄せた。
出身地が未曾有の震災に見舞われた岩井監督。「桜が見たい」とツイッターに書き込んだ後、多くの人から送られてきた美しい桜の写真を見ながら「この桜が永遠に咲き続ける平和な未来を願わずにはいられませんでした」と苦しい胸の内も明かしている。自身のサイトにフリーで映画を公開するという岩井監督ならではの復興支援。不安な気持ちをひとときでも落ち着かせ、前を向く力をきっと与えてくれるはずだ。
『四月物語』は松たか子を主演に迎え、1998年に劇場公開された岩井監督作。大学入学のため、桜舞う季節に北海道から上京した楡野卵月(松たか子)の何げない日常を描いた物語。美しい映像に目を奪われ、心が癒やされる作品だ。(編集部・小松芙未)
映画『四月物語』の無料上映は「岩井俊二映画祭」にて4月30日まで配信
DVDはノーマンズ・ノーズより発売中(税込み:3,990円)