ツイッターから生まれた話題の舞台「ツイゲキ」の映画版が始動!上映はなんと砂浜で開催!?
映画『インストール』の監督として知られるほか、昨年役者やスタッフを全てツイッターで集めた劇団「ツイゲキ」を立ち上げて話題を呼んだ演出家・片岡Kが、同じく役者・スタッフ・出資者の全てをツイッターで集めた映画『ツイルム』の製作を手がけることが決定し、製作発表会見が16日に都内で行われた。主演女優の星野優花と共に登場した片岡は、マイペースな自由人ぶりを発揮しながらも「ツイルムは集大成。人生賭けています」と意気込みを語った。
本作は「原作無し&無名キャスト&セリフ無し&殺人事件無し、だけど心に染みる、そんなせつない映画」という、商業映画では実現が難しいコンセプトとなっている。そのためツイッター上で役者やスタッフ、出資者の全てを募り、「ツイゲキ」の映画版というべき方法で製作される運びとなった。
片岡は『ツイルム』製作のきっかけについて「これまで僕らは『こういう映画を作ったから観て! 面白いでしょ?』とお客さんにしていたが、本当に面白いのは観ることよりも作ること。映画を作る過程を一緒に楽しもうという発想です」と説明する。また本作への意気込みとして「普通の映像クリエイターは8ミリ研究会や自主映画制作を経てプロの世界に入るが、僕はなんとなく映像業界に入ったので、生まれてこの方受注製作しかしていない。ここらで自分が作りたい作品を作らないと死んじゃうと思ってやろうと決めた。『ツイルム』は集大成。これに人生賭けています」とひょうひょうとした口調ながら熱く語った。
ところが片岡が本領を発揮したのはここから。作品の特徴である「セリフ無し」の理由について聞かれると「チャン・ツィイーの『初恋のきた道』がすごい良い映画だった。セリフもあまり無く、チャン・ツィイーが田舎の村にポツンと立ってるだけでかわいい。あれをパクろうと……インスパイアされて作ろうと思ったんです」と司会者に問題発言を訂正されながら説明。他の映画に対しても「みんな喋り過ぎで説明し過ぎだよ。セリフなんか要らない」と片岡節全開だった。また映画『ツイルム』の上映は映画館で行わないことを明かし、「夏の終わりに砂浜に特設スクリーンを作る。砂浜が客席で、お酒を飲みながら上映会をしたい。他の映画がやっていないことをやろうという予定です」と片岡らしい斬新なアイデアを披露していた。
一方、「ツイゲキ」のオーディションで片岡に見出されて、本作の主演に抜擢(ばってき)された星野は、初々しい笑顔を振りまきつつも記者からの質問にはしっかりとした返答をし、大女優の片鱗(へんりん)を見せつける。ツイッターでは片岡や日本を代表する大物映画監督をフォローしていたそうだが、「僕のツイートは面白かったけど、○○君(大物映画監督)のツイートはつまらなかったからもうフォローを外しているそうです」と暴露されて戦々恐々としていた。
映画『ツイルム』では製作委員会倶楽部(一口10,000円)を募集しており、会員になると会議やオーディションの審査員、片岡や星野と交流できるイベントに参加できたりと、さまざまな特典が設けられている。詳細は映画『ツイルム』公式ホームページを参照。(肥沼和之)
映画『ツイルム』は、2011年夏に公開予定