『手塚治虫のブッダ』が世界最大級のアニメ映画祭に出品決定 アヌシー国際アニメーション映画祭パノラマ部門
世界的評価の高い手塚治虫さんの代表作初のアニメーション映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』が、今年6月にフランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭のパノラマ部門に出品されることが明らかになった。関係者は本作を「どこを取っても優れた映画」と絶賛しており、約2,000作品の対象作品から6作品しか選ばれていないパノラマ部門への出品が決定した。
同映画祭は、1960年に世界3大映画祭であるカンヌ国際映画祭からアニメーション部門を独立して設立されたASIFA(国際アニメーション映画協会)公認の国際映画祭で、世界最大規模のアニメ映画祭の一つとして数えられている。映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』はパノラマ部門に選出。エントリーされた約2,000作品の中から、わずか6作品しか選ばれていない同部門は、出品すら一握りの作品しかかなわない狭き門だ。
同映画祭のプログラミングを担当しているローラン・ミリヨン氏は、本作の選出理由について「原則として選考理由を申し上げられませんので、あくまで私の個人的な意見になりますが」と断った上で、「アニメーションの質、背景、描き方はもちろん、ストーリーも素晴らしく、最初から最後までわたしを飽きさせない、どこを取っても優れた映画だと思います。大好きな作品です」と絶賛。手塚治虫さんの原作は、マンガ界のアカデミー賞として知られるアイズナー賞を2年連続で受賞するなど海外からの評価も高く、その初のアニメ映画化作品である本作に懸かる期待も大きい。過去に同映画祭では映画『紅の豚』『平成狸合戦ぽんぽこ』が長編作品グランプリを、山村浩二監督の『頭山』、アカデミー賞短編アニメ賞を受賞した加藤久仁生監督の『つみきのいえ』がアヌシー・クリスタル賞(最高賞グランプリ)を受賞するなど日本映画とは相性がよく、今回も期待できそうだ。
映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は手塚治虫さんの代表作の一つ、仏教の開祖・シッダールタの生涯を描いたコミック「ブッダ」の初のアニメ映画化作品。3部作の第1部となる本作では、シッダールタの誕生からブッダとなる前の姿を描いている。奴隷の少年チャプラの母の声とナレーションを吉永小百合、チャプラを堺雅人、スッドーダナ王を観世清和、そしてシッダールタを吉岡秀隆が務めている豪華声優陣にも注目だ。(編集部・福田麗)