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小栗旬と長澤まさみ、「8年前と根本的には変わらない」 映画『岳 -ガク-』で再共演

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『ロボコン』以来の映画共演となった小栗旬と長澤まさみ
『ロボコン』以来の映画共演となった小栗旬と長澤まさみ - 写真:高野広美

 山岳遭難救助をリアルに描く人間ドラマ映画『岳 -ガク-』で8年ぶりの共演を果たした小栗旬長澤まさみが、お互いの成長を確かめ合うとともに、生死にかかわる標高3,000メートル級の山での過酷な撮影を乗り切り、第一線で活躍するプロの俳優として意識に変化が訪れた心境を明かした。

映画『岳 -ガク-』写真ギャラリー

 本作は、全国の書店員を中心とした有志が選ぶ第1回「マンガ大賞」(2008年)や第54回「小学館漫画賞」(2009年)を受賞し、現在までに累計330万部を突破している石塚真一による人気コミックの映画化作品。山をこよなく愛する島崎三歩(小栗)が、新人女性山岳救助隊員・椎名久美(長澤)の成長を見守りながら、登山者たちとの交流や、1秒を争う山岳遭難救助の模様をリアルに描く感動作だ。

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 劇中「あいつは、山そのものだ」と評されるほど山を知り尽くす三歩を演じた小栗は、「彼はスーパーマンなので感情移入しにくいキャラクターかもしれません。ですが、劇中のほかのキャラクターに感情移入することで三歩が見えてくる、そんなタイプのキャラクターだと思うんです」と圧倒的な人間力・生命力に満ちあふれている三歩像を振り返った。一方、初めての山岳救助で遭遇する過酷な現実の数々を受け止めきれず、隣で何が起こっても動揺しない三歩に対して反発してしまう久美を演じた長澤は、「久美から見た三歩は、ちょっと道外れというか、初めは三歩のことを信じたくないと思っていて、食わず嫌いなところはあったと思います」と独特な三歩の人柄を説明した上で、「でも、久美は、三歩と山を分かち合える同志になりたいと思っていたかもしれないですね。家族や恋人という感じではなくて、同じ立場にいたかったのかなって思います」と次第に成長を遂げていく久美の心情も回想した。

 今回、2003年公開の『ロボコン』以来の映画共演となった2人だが、その間に数々の作品へ出演を重ね、技術的にも人間的にも成長を遂げた確かな実力を蓄積。本作では、友人でも先輩・後輩でも恋人でもない、同志に近い関係を見事に作り上げてみせた。当時の小栗との思い出について長澤は、「頼りになる年上の男性という印象でした。今回も三歩として見守ってくれている感じがとても心地よくて、やっぱり頼りになる先輩って感じだなと思いながら撮影していました」と小栗の変わらない資質に改めて感心。そして小栗も、「当時20歳と15歳だったので、お互いに少なからずキャピキャピしていましたけれど、今はある程度落ち着いたなって感じですかね(笑)」と過ぎ去った時の流れに思いをはせつつ、「でも今回の映画でまた共演をして、僕らは根本的にはまったく変化していないと思いました」と俳優業を仕事とする者として、初心を忘れずに努力を重ねてきたスタンスに変化はないことを明かした。

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 今回の撮影では、標高3,000メートル級の山で過酷な撮影に挑み、油断や妥協が許されない状況下での仕事を乗り越えたことで、プロの俳優としての意識にいくばくかの変化が訪れたに違いない。プロフェッショナルの条件について小栗に尋ねると、「自分のことをプロフェッショナルだとは一度も思ったことがなくて、アマチュアだと思っています」と謙遜(けんそん)。小栗は自分を律するも、本作の撮影にあたってクランクイン前から厳しい真冬の山岳トレーニングに励み、高所恐怖症と闘いながら、当初撮影予定がなかったアイスクライミングや懸垂下降のシーンを成功させた。「今回の映画でも一生懸命努力しましたが、本当ならもっといろいろなことができなくてはいけないと、心のどこかで思っていますね」と高いプロ意識があればこその陰の努力を怠らず、真の感動をスクリーンに刻み付けてみせた小栗。そして、「僕は、プロフェッショナルって何だろうと考えながら、毎回やっている感じがします」と言うように、プロとは、簡単に言葉や活字で説明できない、到達できないステージで活躍する人間たちのことを指すのだろう。良い作品を作るために全身全霊を注いだ小栗と長澤をはじめ、キャスト・スタッフたちの高い志と熱意をスクリーンから感じ取れる『岳 -ガク-』。本物の映像とリアルな感情を追い求めた本作は、受け手の意識にも何かを投げかけるに違いない。(鴇田崇)

映画『岳 -ガク-』は5月7日より全国東宝系にて公開

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