中国が3D映画産業に本格参入 開催中の第1回北京国際映画祭で発表
中国の映像製作会社3D Chinaが、3D映画産業に本格的に参入することを現在開催中の第1回北京国際映画祭で発表した。バラエティー誌によると、中国のロックスター、ツイ・ジェン(崔健)の3Dコンサート映画を第1弾として予定しているほか、複数の企画が同時進行中だという。
これまではハリウッドを中心にしてきた3D映画産業に、とうとう中国が参入する。3D China社社長は、ジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』の成功をきっかけに多くの人が3D映画の可能性に気付いたことを指摘すると、「中国政府も自国の映画製作者に3D映画製作を推進しています。なので、今後は中国でも多くの3D映画が作られるでしょうね」と政府の後押しがあることを明言。3Dスクリーンなどの設備投資を考慮に入れても、チケット収益が大きな魅力になるとバラエティー誌は分析している。
3D China社は、今年下半期に3D映画第1弾として中国で絶大な人気を誇るロック歌手ツイ・ジェンのコンサート映画を公開予定。さらには中国を代表する近代画家・張大千を扱ったものやファンタジー作品など、今後も続々と製作していく見通しとなっている。だが関係者によると、中国には3Dデザイナーといった専門家が不足していることも事実であり、国を挙げてハリウッドで活躍している人材を積極的に登用することも視野に入れているという。
中国映画といえば、壮大なスケールの歴史ものなどが知られているが、近い将来はこういった作品の3D化もあり得るかも? コンサートフィルムの3D化を嚆矢にアジア各国でも徐々に3D映画製作は進んでいるだけに、今後はハリウッド映画ではない3D映画が続々と登場してくるかもしれない。(編集部・福田麗)