オダギリジョー、初の父親役に子ども役のまえだまえだ二人からは「本当の家族みたい」
俳優のオダギリジョーが5日、有楽町朝日ホールで行われた是枝裕和監督の最新映画『奇跡』の完成報告記者会見に出席。2月に一児の父親になったオダギリだが、役者として初の父親を演じた苦労を明かした。この日は是枝裕和監督、まえだまえだ(前田航基・前田旺志郎)、樹木希林、阿部寛 、内田伽羅、林凌雅も登壇した。
同作は九州新幹線開通の日、一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起こるという話を信じ、両親の離婚により離ればなれになった家族の絆を取り戻そうと奮闘する子どもたちと、彼らを見守る大人たちの思いを描いた感動作。
父親で売れないミュージシャンを演じたオダギリは、初の父親役について「役者を始めて初めての父親役で、それだけでも私生活と比べるなどできず何をどうしていかわからなかったです」と慣れない苦労を告白。撮影中も子どもとの距離感について「親というよりも友達という感じの目線でしかいられない気がして、役的にもそういう付き合い方なんだろうなという気がしました。一切親子関係とかは考えず、友達として話すようなトーンでしかできなかったです」と控えめなコメント。しかし、撮影中に一緒にお弁当を食べたりした子ども役のまえだまえだからは「本当の家族みたいでした」を打ち明けられてうっすらとほほ笑んでいた。
また、主人公の祖母を演じた樹木は孫の内田とともに出演。台本をもらって内田にオーディションを勧めたに進めたという樹木は、「是枝監督の中に少しでも入れたらこの子にとっていい思い出になると思い、初めて一人で飛行機に乗せました。親は凄すごくしぶっていましたが(笑)」と背中を押したいきさつを説明。「鳴り物入りで出ても大体こけますから。さりげなくその他大勢で出て、だめならだめでそこで判断してとう気持ちで行かせました」と役者の先輩としてのするどいアドバイスも。そんな内田は見事にオーディションに合格。マイクを握ると恥ずかしそうにしながら、両親(本木雅弘・内田也哉子)に「自然にやって緊張しないで」とアドバイスを受けたことを明かしていた。(取材・文:中村好伸)
映画『奇跡』は6月4日より九州地方で先行公開後、6月11日より全国で公開