爆笑問題・太田光「沢尻のXデーや裕也さんの逮捕と重ならなくて本当によかった」 処女小説絵本化で太田節さく裂!
18日、文京区の講談社で爆笑問題・太田光のベストセラー小説を絵本にした「絵本マボロシの鳥」刊行記念記者会見が行われ、太田光と影絵作家の藤城清治が出席。87歳にして創作意欲が旺盛な藤城のイマジネーションの豊かさに、太田が刺激を受けている様子だった。
藤城といえば、精密なテクニックで独自の世界観を築き、作品のファンも多く抱える影絵の巨匠。爆発的人気キャラクター「ケロヨン」の生みの親としても知られている。近年でも、新垣結衣の4枚目のシングル「うつし絵」のジャケットを手掛けるなど、その旺盛なる創作意欲は衰えることを知らない。
そんな巨匠が新たに手掛けた絵本が、太田が昨年出版した短編小説集「マボロシの鳥」を原作にした今回の絵本。藤城は「最近はメルヘンの限界を感じていたんですが、そんなときに太田さんの原作を読んで面白いと思い、これは僕が作らなきゃいけない、僕ならこの世界を描けると思いました。40枚くらい絵を描いて、最後まで続くかなと思ったんですが、最後になればなるほどのってきて、夢中になって作りました。医者からは朝晩に血圧を測らなくてはいけないと言われたけど、そんなことを気にしていたら面白いものなんか作れない。こんなに面白いものを作っているんだから、絶対に血圧なんて上がっているはずがないと思ったら、いつも以上に元気になった」と語る通り、元気そのもの。あまりにも気分がのったために、絵本制作の世界では破格のスピードである3か月ですべての作業を終わらせてしまったほどだという。
これほどの巨匠に「久しぶりというよりも、初めて力を入れた作品」と言わしめた太田。さすがの彼も影絵界の巨匠との会見を前にして、前日は緊張のあまり眠れなかったそうだが、「沢尻の(離婚届を提出する)Xデーや、(内田)裕也さんの逮捕と重ならなくて本当によかった」と太田節で笑わせた。太田が幼少のときに母親が読んでくれた絵本が藤城の作品だったそうで、太田にとっては「モノづくりの根底にある」とのこと。そして初小説についても、「本屋大賞にも、直木賞にもノミネートされることもなくて、ブーブー言っていたんですよ。太田が前面に出過ぎてうるさい、と言われたこともあって落ち込んだこともありました。これが伝わらないのは、おれの技術不足なんだろうなと思っていたんです。でも、先生の絵を見たときに、それは違うんだ、読者の方がイマジネーション不足なんだと思いましたよ! まあ、こんなことを言うから怒られるんだけども」と太田らしいジョークで笑わせつつも、「先生の絵を見て、人間の持つ想像力のエネルギーに勝てるものはないと感じました。(震災の影響で)バラエティーをやっても、なかなか笑わせにくい状況にあるけれども、そうではなくて、頭の中で楽しいことをいっぱい考えて、いつも通りに生きていてよかったと思えるようなものを作っていきたい」と87歳でいまだ創作意欲の衰えない巨匠を目の前にして、刺激を感じている様子の太田だった。(取材・文:壬生智裕)
「絵本マボロシの鳥」は5月20日講談社より発売(税込み:3,000円)