韓国の漫画「Priest」がハリウッドで実写化!主役ポール・ベタニーに聞く!
映画『ドッグヴィル』や『ダ・ヴィンチ・コード』などで強烈な演技を見せてきた演技派ポール・ベタニーが、新作『プリースト / Priest』について語った。
同作は、司祭にして戦士のアイヴァン・アイザック(ポール・ベタニー)は、姪(リリー・コリンズ)が悪のヴァンパイア集団にさらわれたことで、教会によって守られた城壁都市を離れ、仲間たちとともに姪の奪還を目指してヴァンパイアと戦うというホラーアクション映画。
映画内でのスタントについて「今作で僕は、できる限り多くのスタントに挑戦することになった。実際に制作会社に(もっとスタントをさせてくれと)言い寄ったくらいなんだ。結局、彼らはほとんど僕にスタントをさせてくれたよ。その中には、約80キロでソルトフラッツ(アメリカユタ州北西部に位置する塩湖の跡にできた平原)をバイクで走ったシーンがあって、さらにその走るバイクの上に立って電車に飛び乗るというシーンもあるんだ。そのシーンを撮影中のときは、僕には綺麗な妻と美しい子どもが居るのに、一体僕は何をしているんだ?と思ったくらいだよ!(笑)」と話したポールは、映画内の90%近くのスタントを自分でこなしたそうだ。
この映画の原作となる韓国の漫画家ヒュン・ミンウの同名コミックについて「原作の『Priest』は過去の設定だが、この映画は未来の設定になっている。あくまで原作のインスピレーションを取り入れているが、映画は新しい方向性を持ったものに仕上がっているんだ。ただ、原作に敬意を表して額に入れ墨をみんなしているんだ」と述べたポールは、撮影前に漫画家のヒュン・ミンウがセットを訪れたことも明かした。
映画『レギオン』で監督デビューしたスコット・スチュワートと、再びこの映画でタッグを組んだが、映画内の多くはスペシャル・エフェクトであるため、スコットはどんな演出をしたのか。「(スコットは、監督の前にもともとスペシャル・エフェクトを担当していたため)それぞれのシーンのコンセプトにできるだけリアル感を出すことをお互いが心がけたんだ。スコットは時間に寛大で、僕ら俳優に何をしたら良いか、じっくり彼自身が僕らの前でやってみせてくれ、僕らを安心させてくれた。例えば、映画内ではヴァンパイアのハートを刺して地面に叩き付けるシーンがあるが、実際にはちっとも怖くない青色の枕を(ヴァンパイアと見立てて)使っているシーンもあったからね」とスコットの演出は必要不可欠だったようだ。ちなみにポールは、撮影後におよそ9か月間掛かった編集が終了するまでは映像がどうなるのか不安だったそうだ。
さらにポールは、この映画以外に過去の作品『ドッグヴィル』で共に仕事をしたラース・フォン・トリアー監督についても語った。「君たちが想像しているものとは全く違ったクレイジーな体験で、これまで僕が出演した作品で、最も不思議な仕事だったと思う。でも、彼は毎回素晴らしい作品を制作していることは、議論の余地はないと思う。ただラースは、僕ら俳優たちが彼の映画をどう思っているか、彼には全く興味ないんだよ。だから僕には、映画を製作している楽しさが感じられなかったね。ただ現場に行って、言われた通りに演技しているだけなんだ」。ちなみに、ポールの友人で俳優のステラン・スカルスガルドは、この映画『ドッグヴィル』にポールを参加させようと、ラースの作品はみんながセットで楽しんでいると嘘をついたそうだ。それは、ステランがポールのような友人の居ない環境で、再びラース監督の作品に出演するのは辛いと思ったかららしい。
最後に映画は、ポールの派手なアクションだけでなく、マギー・Qやリリー・コリンズの女優陣の活躍も見逃せない作品になっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)