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『アバター』などのVFXを手掛けたストラウス兄弟の資金集め→製作まで51週間で公開したSF映画の秘密とは?

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海外映画人の来日キャンセル相次ぐ中、日本に降り立ったグレッグ・ストラウス監督
海外映画人の来日キャンセル相次ぐ中、日本に降り立ったグレッグ・ストラウス監督

 『アバター』『デイ・アフター・トゥモロー』といった数々のSF映画のVFXを手掛けてきた特殊効果スタジオ、ハイドラックスのグレッグとコリンのストラウス兄弟が、エイリアンによる地球征服までの3日間を圧倒的な映像で描いた『スカイライン-征服-』。東日本大震災の影響で一度は来日が中止となった兄のグレッグ・ストラウス監督が、監督自らの熱望で日を改めて来日し、本作について大いに語った。

映画『スカイライン-征服-』場面写真

 ストラウス兄弟が、本作の製作を思い立ったのは2009年11月のランチの席でのこと。そこから猛スピードでパイロット版を製作し、予算を集めることに成功した彼らは、VFX満載の作品にもかかわらず、たったの51週間で全米公開にまでこぎ着けた。しかし、決して潤沢とはいえない予算ですべてをまかなうために苦肉の策もいくつかとったそうで、「リフォームしたばかりだったのに、僕の家で1か月も撮影したんだ。映っているインテリアも全部僕のだよ(笑)。でも、後悔はしてない」と撮影を振り返った。さらに、「僕も出演しているんだ。(主人公たちが)部屋の窓から外をのぞくシーンで、隣のマンションの屋上に3人ぐらい人が立っている……、そう、あれが僕だよ。それで、隣でエイリアンに吸い込まれちゃったのがコリンなんだ」と笑顔で告白した。

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 また、本作には、光で人々を惑わせて捕食するエイリアンや、コンプレッサーのような動きで人々を踏みつけにするエイリアンなどが登場する。それらは深海魚やゴリラからインスピレーションを受けたのだそうで、「僕にはいろいろなものが普段からエイリアンのように見えるんだよ(笑)。例えば、図鑑で見る南米の昆虫なんて、違う星から来たような構造をしているだろう? いつもデザインの参考にしているよ」とアイデアの源を明かした。

 そして、すでに製作が決まっている続編についても、「『2』にどんなエイリアンが登場するか、それはまだ言えないな(笑)。ただ、3分の1は母艦の中でストーリーが展開するから、今まで見たことのないタイプのものがまた登場するよ。さらにちょっとだけ明かすと、今回はLA(ロサンゼルス)が舞台だったけど、次回はニューヨークでの大きなアクションシーンも予定しているから、楽しみにしていてほしいな」と包み隠さずに語ってみせた。

 そんなグレッグ監督だが、来日を中止する原因となった東日本大震災に話が及ぶと、「映像作家として、これまで壊滅する都市なんかを描いてきたけど、津波が街を襲っているところを空撮した映像なんて、今まで見たこともなかった。伝えられるのは、どれも僕の想像をはるかに超える映像で、ショックを受けたよ」と表情を曇らせた。実は、弟のコリン監督の奥さんは日本人なのだそうで、震災以来、ずっと日本の情報を収集していたという。だからこそ「来日に不安はない」と言い切り、「僕の住むLAと日本は海でつながっている。風も波も届くんだ。僕だけじゃなくLAの人は特に、日本のことを気に掛けているよ」と優しく語った。そんなグレッグ監督が作り出す映像は、おぞましいほど美しい。そして、東日本大震災というまぎれもない未曾有の危機に直面したわたしたちは、宇宙からの侵略より、現実の自然災害の方がよほど恐ろしいものであることを知っている。だからこそここは、非日常の世界に身を委ね、純粋にその映像美を堪能してほしい。(写真・文:小島弥央)

映画『スカイライン-征服-』は6月18日より新宿バルト9 ほか全国公開

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