兄・長門裕之さんの死から1週間…津川雅彦、元気な姿で映画祭に登場「迷惑かけたね、だいぶ落ち着いたよ」
28日に山梨県・日本航空学校で開催された「第20回 日本批評家映画大賞」の授賞式で、小林政広監督の『春との旅』が作品賞に輝いたほか、各賞が発表された。また21日に兄で俳優の長門裕之さんを亡くした津川雅彦が、プレゼンターとして登場して元気な笑顔を見せた。
長門さんが亡くなった当時、自身もICU(集中治療室)に入っていたという津川。長門さんの葬儀でも涙を見せ、心身ともに憔悴(しょうすい)が心配されていたが、この日は元気な様子で来場。主演男優賞を受賞した渡辺大にプレゼンターとして花束を渡し「おめでとう」と声をかけるなど、いつもと変わらぬ様子で笑顔を振りまいていた。
イベント終了後に津川は、関係者に対し「(兄や自身の体調のことで)迷惑かけたね。でもだいぶ落ち着いたよ」と安心させるような言葉をかけたそう。さらに体調が万全ではないのにプレゼンターを務めたことについて「こういうところに来る方が気が紛れるんだ」と笑顔で話していたという。
今回で20年目という節目を迎えた同映画賞だが、今回は授賞式の準備中に東日本大震災が発生。日本中が自粛ムードに包まれる中、一時は開催が危ぶまれるも、映画の力で日本を元気付けたいという主催者たちの思いで開催される運びとなった。その思いが届いたかのように、会場は最後までさわやかで映画愛にあふれた盛り上がりを見せたのだった。
主な受賞結果は以下の通り。
作品賞:『春との旅』小林政広監督
主演男優賞:渡辺大『ロストクライム -閃光-』、永瀬正敏『毎日かあさん』
主演女優賞:永作博美『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』、内田有紀『ばかもの』
助演男優賞:香川照之、伊勢谷友介『あしたのジョー』
助演女優賞:松坂慶子『武士の家計簿』
監督賞:東陽一『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』
新人男優賞:佐藤健『BECK』、溝端淳平『君が踊る、夏』
新人女優賞:桜庭ななみ『最後の忠臣蔵』、徳永えり(『春との旅』)
新人監督賞:榊英雄 『誘拐ラプソディー』、川口浩史『トロッコ』
(取材・文:肥沼和之)