エイリアンが最初から姿現し過ぎ!種類も多過ぎ!すべてのSF映画の常識を打ち破った『スカイライン』!
これまでのSF映画の常識を覆し、多種多様のエイリアンが次々と登場して人類を蹂躙(じゅうりん)する『スカイライン-征服-』。映画『アバター』『2012』などのVFXアーティスとして活躍する、監督のコリンとグレッグのストラウス兄弟が、その手腕をいかんなく、そしてオタク趣味全開で!? 発揮し、これまでになかった視点から、異星人の地球侵略を見せる。
エイリアンによる3日間にわたる地球侵略と、その危機に直面した、普通の人々の姿を描く本作。宇宙人の侵略をテーマにした作品といえば、最後までその存在は謎に包まれ、クライマックスにようやく姿を見せるか、一種類のエイリアンだけが大量に登場することがほとんどだった。しかし本作では、「侵略にきているのに、わざわざ姿を隠すか!」とばかりに、エイリアンたちが堂々とスクリーンに姿を現し大暴れ。戦うすべを持たない人々を、絶望のふちに叩き落す様が描かれる。
建物や人間を踏み潰す巨大エイリアンや、クラゲと戦闘機を合わせた飛行物体、タコのように生えた触手で人を襲うエイリアンなど、どれも個性があって有機的なフォルムを持っているエイリアンたち。謎の青い光でおびきよせ、先端が光る触手で人類を捕獲するその姿は不気味さ十分。ストラウス兄弟によれば、エイリアンのデザインは、ゴリラや深海魚など実際の生き物を参考にしたということで、どれもがリアリティーにあふれている。さらに、一体でも脅威の存在のエイリアンが大挙して押しかけてくることで、作品の終末観に拍車がかかる。
また、監督がリアリズムにこだわったという本作では、軍人ではない、普通の日常を過ごしていた人々にスポットを当てているのも特徴。これまでの侵略もの映画では脇役にもならなかったような、対抗できる兵器も持たない人々が、英雄不在の中、次々とエイリアンが襲いくる未曾有の事態にどう対処するのか。思わず、自分ならこうする! と登場人物を自分に置き換えずにはいられない。
侵略者と人類の戦いを、SF映画のお約束をとことん破り、これまでにない視点からとらえた本作は、その結末も予測不能!? 人類が勝利するとは断言できない、襲撃のラストを、大迫力の映像と共に、ぜひスクリーンで確認していただきたい。(編集部・入倉功一)
映画『スカイライン-征服-』は6月18日より全国公開