尾上菊之助が被災地のためにチャリティー歌舞伎を企画 結婚には「非常に前向き」とコメント!
10日、歌舞伎俳優の尾上菊之助が自身の発案で企画したチャリティー歌舞伎舞踊公演「祈り」の概要説明を渋谷のBunkamuraで行い、東日本大震災の被災者へ向け、「7月に『祈り』と題しましてチャリティー公演を行わせていただきます。入場料の全額を寄付させていただきます」と企画への思いを述べた。
尾上菊之助舞台の映像化『シネマ歌舞伎 蜘蛛の拍子舞』場面写真
この日の菊之助は、会見の会場となったBunkamuraシアターコクーンで上演されている、新感覚の演出で人気のコクーン歌舞伎「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」出演前に登場。震災当日はちょうど新橋演舞場の「三月大歌舞伎」に出演中で、「先輩方や父が舞台に立っているさなかに地震が起こり、劇場がこんなに揺れるものなのかと衝撃を受けた。舞台は照明などつりものが多いので響いていた。本当にびっくりした」と当時の体験を述べ、「自宅に帰ってからテレビの報道を観て、地震、津波、原子力発電所の事故による被災地の方々の心境を考えないでいることはできなかった。大変な思いをされている方がたくさんいる。少しでも(希望の)明かりを灯すことができたらと今回のチャリティー公演を行うことにしました」と自身の思いを語った。
父の尾上菊五郎にこの企画の相談をしたさいには、「役者は一生勉強だから、自分の思いで、できる限りのことをやれ」と後押しされたという。また、被災地での歌舞伎公演もしたいそうだが、「公共施設が避難所になっていて、迷惑をかけてはいけないと思いこのようなかたちにした。観客の皆さま、そして出演者が一丸となって震災の復興にご協力させていただきます」とも述べた。
最後に報道陣が、「震災の影響で結婚したがっている人が増えた」と先日、モデルの知花くららとの熱愛を否定したばかりの菊之助に話題をふると、「(電撃入籍は)ないと思います。でも非常に前向きではあります」と笑顔をみせつつ、「家族のきずなは普段当たり前のように感じますが、改めて考えさせられる出来事でした」と震災について、神妙な面持ちでコメントした。
チャリティー歌舞伎舞踊「祈り」は7月12日に浅草公会堂で公演。入場料や募金は日本赤十字社を通して被災者に送られる予定で、ロビーに設置された募金箱の前では菊之助も募金を呼びかけるという。(取材・池田敬輔)