俳優・寺島進の昨年のナンバーワン 映画!『海炭市叙景』が渋谷ユーロスペースにてアンコール上映決定!
高い評価を集めている映画『海炭市叙景』が、今月11日から渋谷ユーロスペースにてアンコール上映されることが決まった。
佐藤氏が生まれ育った故郷の函館をモデルにした“海炭市”を舞台にした18の短編から、5つのエピソードを選び映画化した本作は、さびれた地方都市で懸命に生きる“海炭市”の人々の姿を温かく描きだす。キャストは、谷村美月、竹原ピストル、加瀬亮、南果歩、小林薫ら、日本映画界を代表する演技派俳優たち。
昨年の12月末に公開され、映画ファンのみならず、監督や俳優、評論家、映画専門雑誌の編集者など、多くの映画関係者からも高い評価を集めた本作は、映画ファンからのリクエストに応え、今月11日からアンコール上映が決まった。本作を、「昨年の映画ではナンバーワンの作品」という俳優の寺島進は、アンコール上映に寄せて「映画『海炭市叙景』は、周りの役者さんや監督、会う人会う人に勧めたくらい大好きな映画だったから、アンコール上映になったことがとてもうれしい。以前、是枝監督の『幻の光』を鑑賞後、宮本輝さんの原作を買ったことがあった。『海炭市叙景』を見終わった後、あまりの衝撃にその時と同じくらい感動して、思わず佐藤泰志さんの原作を買ってしまった。そのくらい、感じるものがあった。余韻が深すぎた。1人でも多くの人に観て欲しい」とコメントを寄せた。
寺島の言葉通り、映画公開後、絶版になっていた佐藤泰志の作品は、続々と復刊、文庫化している。村上龍、山田詠美などスタイリッシュな作家たちが人気を集めたバブル時代、静かな目線で作品を書き続けた佐藤氏は、「海炭市叙景」執筆中に自ら命を絶ち、本作が未完の遺作となった。満ち足りた世界に暮らしていたわたしたちを、突然襲った東日本大震災。戻れない日々に思いを募らせながら、希望を捨てずに生き続けるわたしたちの心に、この映画は、生きることの哀しさ、と同時に、なにげない日常の素晴らしさを教えてくれることだろう。(編集部:森田真帆)