小栗旬、森山未來が怖くて仕方がない?劇団☆新感線「髑髏城の七人」製作発表!
23日、新宿バルト9で劇団☆新感線2011年夏興行「髑髏城の七人」製作発表会見が行われ、小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗、高田聖子という豪華キャスト陣が衣装姿で登場し、報道陣、一般の観客の前にお披露目された。この日は劇作家の中島かずき、演出のいのうえひでのりらも出席した。
「メタル マクベス」「五右衛門ロック」に続き、本作で劇団☆新感線3作目の出演となる森山は「すてきな舞台に参加させてもらえて光栄に思っています。ただ、劇団内をのぞくと、半分以上が痛風持ちで、ヘルニアをわずらわれている方もいらっしゃる。しかも路上でキスをなさっている方までいて……そうそうたる先輩がたにはこの際退いてもらって、今回はいろいろな方の胸を借りながら、良くも悪くも若いエネルギーで突っ走りきれたらいいなと思います」と路チュー騒動で世間を騒がせた古田新太たちを意識したコメントを発表し、会場を沸かせた。
また、もともと一人二役だった役を小栗と演じ分けることに対して森山は「(ライバル心は)そりゃないことはないですよね」とやる気をみなぎらせている一方で、小栗は「森山さんとは時々酒の席で会うんですが、話を聞くと相当ストイックな方だと聞いています。おれ、もしかして森山さんに怒られるんじゃないかなぁ」と今から戦々恐々。森山自身は「別にそんなつもりはないですよ。けいこ場でもお酒を飲みながらでもコミュニケーションをとるのは重要ですから」とフォローはしていたが、若いパワーがあふれる迫力の舞台を予感させた。
また、この日は過去の同作の舞台映像が流されたが、時が下るにつれて体格が良くなっていく主演の古田の映像を見た座付き作家の中島は「古田がどんどん横に広がっていって、『髑髏城の七人』をやるのはもう限界。若い人の話にしたいと思い、キャストを新しくしました」と今回のリニューアルに着いて説明。さらに「小栗君の捨之介、森山君の天魔王という構想が生まれたときから台本もずいぶん書き直しました。90年代の捨之介ってスーパーマンだったんです。小林旭のように風のように現れて、去っていくというような。今回はそこを変えたいと思いました。2人の役をそれぞれが演じることで、捨之介、天魔王という人物を掘り下げて描くことができるため、今までで一番人間くさい役柄になったと思います」とこれまでとの違いを明かした。物語、演技、殺陣、音楽などを調和させ、ケレン味あふれる時代活劇「いのうえ歌舞伎」の原点的作品として愛されてきた本舞台が、この豪華キャストでどのように生まれ変わるのか、今から楽しみだ。
1990年、池袋西口公園テントで初演を迎えた「髑髏城の七人」は、1997年、2004年と7年ごとに再演を繰り返し、ファンに愛されてきた作品。初演から21年となる今回は若いキャストを迎え、新たにリニューアルされることになった。これまで主人公の捨之介、そして敵役である天魔王というキャストは、これまで劇団☆新感線の看板俳優、古田新太(2004年の「アオドクロ」では市川染五郎)が一人二役で演じてきた役であったが、今回はその二役を小栗、森山とそれぞれの俳優が演じ分けて上演するという形になっている。(取材・文:壬生智裕)
劇団☆新感線2011年夏興行『髑髏城の七人』は8月7日~24日まで大阪・梅田芸術劇場にて、9月5日~10月10日まで東京・青山劇場にて上演