コーエン兄弟の新作は、白人ブルースの先駆者デイヴ・ヴァン・ロンクの伝記映画か!?
映画『トゥルー・グリット』で西部劇に臨んだコーエン兄弟、彼らの次回作は、20世紀最高のフォーク・ブルーズ・ミュージシャンであるデイヴ・ヴァン・ロンクの伝記映画が濃厚だと見られている。LAタイムズによると、ニューヨーク市マンハッタンの地区グリニッチ・ヴィレッジのフォークシーンを見渡すものとしている。また、コーエン兄弟に近い者の話では、現在執筆中の脚本はデイヴ・ヴァン・ロンクに関するものだという。
ジョエル、イーサン・コーエン監督映画『トゥルー・グリット』写真ギャラリー
ボブ・ディランやジョニ・ミッチェルに大きな影響を与えた白人ブルースの先駆者であるヴァン・ロンク。彼は60年代に、隆盛したグリニッチ・ヴィレッジの“コーヒーハウス・フォーク・シーン”に傾倒。彼は聴衆のハートをつかみ、複雑なコード進行を用いたフィンガー・ピッキング・スタイルのギター奏法を身につけていく。1963年にはラグ・タイム・ジャグ・ストンパーズを結成し、翌年レコード・デビュー。2002年、結腸癌により66歳で逝去。その3年後に刊行された回顧録「ザ・メイヤー・オブ・マクドゥーガル・ストリート (原題)/ The Mayor of MacDougal Street」をコーエン兄弟は参考に執筆しているようだ。
実はノア・ボーンバック監督に対し同監督作である映画『マーゴット・ウェディング』のような自然な会話、そしてミュージカル・パートを含んだ内容を考えているとジョエル・コーエンが語ったことも明らかになっている。しかしながらコーエン兄弟のスポークスマンは「現時点でコメントできることはない」と慎重に対応しているようだ。映画『ノーカントリー』『トゥルー・グリット』と傑作を放ち続ける兄弟監督だけに、期待値は増すばかりだ。(南 樹里)