トム・クルーズ主演の『7月4日に生まれて』、最初はチャーリー・シーンがオファーされていたことが明らかに
80年代に映画『プラトーン』や『ウォール街』でハリウッドの地位を確立し、その後もTVシリーズ『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』で、コメディ作品で最も稼ぐTV俳優となったチャーリー・シーンが、トム・クルーズがかつて主演したベトナム戦争を扱った映画『7月4日に生まれて』で、主役をオファーされていたことがハリウッド・リポーターによって明らかになった。
同作は、1989年に製作されたオリヴァー・ストーン監督の映画で、ベトナム戦争でベトコンの銃撃に倒れ脊髄損傷して下半身不随になったロン・コーヴィックの半生を描いた作品。アカデミー賞では監督賞、編集賞を収め、主演したトム・クルーズもアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、アメリカ国内の興行だけでも7,000万ドル(56億円)稼いでいた。
前回、オリヴァー・ストーン監督とチャーリー・シーンがタッグを組んだのが、映画『プラトーン』でアカデミー賞作品賞だけでなく、監督賞なども収めていた秀作だっため、この『7月4日に生まれて』で再タッグをオリバー監督は望んだようだが、チャーリーはこの件に関して「それでは、まるでマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロみたいな関係になってしまう」と答えたそうだが、オリヴァー監督は「アル・パチーノやロバート・デ・ニーロ等がこの役を演じたがっているんだが、君にこの役を与えたい」と返してきたそうだが、結局その後は電話で会話を交わすことさえなかったようだ。
さらにチャーリーは「(あの時は)傷ついたよ。それまでの彼との仕事(『プラトーン』)を考えればオリヴァーが個人的に僕に電話をしてきたらもちろん僕は気にしていたはずだ。だが、彼は僕にキャスティングの気持ちが変わったことさえ報告してくれなかったんだよ」とプレイボーイ誌にコメントを残していた。
最終的に出演の決まったトム・クルーズは、この作品のために長期間車イスの生活で過ごし、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。実際にチャーリー・シーンに同じことができたかは疑問だが、『プラトーン』のオリヴァー監督との相性の良さを考慮に入れると、興味深い作品にはなっていたかもしれない。 (細木信宏Nobuhiro Hosoki)