ニューヨークで日本のマンガ「極道兵器」実写化上映!主演&監督の坂口拓を直撃!彼が明かす極道とは?
現在開かれているニューヨーク・アジア映画祭(N.Y.A.F.F)で、日本からアクション俳優坂口拓が訪れ、新作『極道兵器 / Yakuza Weapon』について語った。
同作は、1998年に「週刊漫画サンデー」で連載されていた石川賢による漫画で、極道組織の岩城組の組長の息子将造(坂口拓)は、父親が亡くなったことが同組の若頭である倉脇(鶴見辰吾)のせいであることを知り敵討ちを決意するが、逆に返り討ちに合って右腕と左足を失う。だが、将造は手術を通して改造人間になって復讐を果たしにいくというアクション満載の作品。
原作の石川賢の漫画について坂口は「もちろん漫画は全部読んで、その中から映画で使えそうな場所を選択して、主要人物を合わせて一本の映画にしたという感じですね」と明かす。
山口雄大監督との共同監督について「もともと『地獄甲子園』の続編として、『デッドボール』という作品を山口雄大と撮る予定だったんです。そして、その前に僕はこの『極道兵器』を監督兼主演でやろうと思っていたのですが、撮影日数が12日しかないのに、そのわりには4分半ワンカットのシーンがあったりして、相当体がきつくなるなと思ったんです。だから冷静にゲガした時に現場が止まることなく、動かせる人が欲しいなと思ったんですよ。ただ、全く自分のセンスと違うと駄目なので、自然と気の合う山口雄大を選択していました。お互いが、それぞれの判断を信用していますね」と述べた坂口は、さらに山口監督がコミカルな要素を加えたことも話してくれた。
鶴見辰吾のキャスティングについては「原作では、この僕が演じた将造というキャラクターは強すぎるんです。だから、一対一で闘うタイプの肉体派の俳優じゃなくて、頭脳明晰で少しずる賢さがでるような、そんな人を選びたいと最初は思っていたんです。そこで映画『GONIN』に出演していた鶴見辰吾さんのイメージが好きで、彼にお願いしたんです」と語った。普段鶴見が出演するテレビドラマなどではヤクザの印象があまりないため、新鮮で興味深いキャスティングをしている。
ヤクザ男の美学とは「ヤクザはいわば極道ですよね。漢字そのままで極める道と書きますよね。だから、僕の中ではそれぞれの道を極めたら、それを極道と言えると思っているんです。ヤクザである必要はないんです。この映画での主人公将造は、自分を極めようとしているんです。僕はアクションを極めようとしています。そう考えたら、僕も極道と言えるかもしれません。僕は社会人ではないし、素人でもありませんが、どこかに当てはまるとしたら極道かもしれませんね」と自分を分析しながら語った。
最後に彼は最近自分が監督/主演することで、他の監督が衝突することを恐れて出演オファーしにくくなったかもしれないと懸念していたが、本人は脇役でもどんな役でも、興味深い監督の仕事なら引き受けたいと語っていた。今後は、北村龍平監督や園子温監督とタッグを組むことになっているそうで、ますます期待できるアクションを見せてくれそうだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)