美空ひばりさんフィルムコンサート、宮城県と福島県で開催 新たに編集 炊き出しも
昭和の大スター、故・美空ひばりさんの、復興支援フィルムコンサートが、東日本大震災で甚大な被害を受け、今もその傷に苦しむ、宮城県石巻市と福島県相馬市で行われる。また、相馬市では南相馬市で被災した人々への炊き出し・料理振る舞いもされるという。
先月23回忌法要がとり行われ、会場には数多くの著名人が来場。墓前にもファンが詰め掛けるなど、亡くなってから22年たつ現在も、多くの人々に愛され続けている美空さん。このフィルムコンサートは、時代を超えて人々の心をとらえ続ける美空さんの歌を被災地に届け、被災し、今も苦しい避難生活を送る人々に、元気を取り戻してもらいたいという思いから行われる。
上映されるのは、美空さんの長男で、株式会社ひばりプロダクション代表取締役社長の加藤和也氏が、復興支援用に新たに編集した、90分にわたる映像「美空ひばりフィルム~東日本大震災に寄せて~」。5月末から6月初めにかけ、福島県いわき市の避難所で行われ、避難所の人々の涙と拍手を呼んだフィルムコンサート「東日本大震災によせて 再起を祈る愛の詩」と同様、美空さんの貴重映像で構成されている。
その内容は、映画『東京キッド』などの出演映画から、1970年のブラジル公演、1981年に武道館で行われた、歌手生活35周年記念リサイタル、そして、23回忌法要のテーマともなった、「不死鳥 美空ひばり in TOKYO DOME ~翔ぶ!! 新しい空に向かって~」などさまざま。その中で歌われる名曲の数々を、デビューから晩年までの美空さんの映像と共に紹介。上映される曲数は36に及ぶ。また、幕間のMCやあいさつなども収録されているということで、生前のひばりさんのコンサートにいるような気持ちが味わえそうだ。
「美空ひばりフィルムコンサート」は7月16日に石巻市河北総合センター・ビッグバンにて午後7時から、17日には同市立門脇中学校・体育館で同時間にて開催。その後、福島県相馬市の相馬市総合福祉センター(はまなす館)に場所を移し、7月22日午後1時からの有志による炊き出しの後、午後2時から行われる。未曾有の災害に苦しむ人々を元気づける力として、「不死鳥」のように、ひばりさんの歌は復活しつづける。(編集部・入倉功一)