なんと今はスタジオジブリプロデューサー見習い!ドワンゴ会長・川上量生氏「僕がジブリをネットから守ります!」
昨年末よりスタジオジブリでプロデューサー見習いとして働いている株式会社ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏が、スタジオジブリで働く者にしかわからない“ジブリでの生活”を明かした。昨年末、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーとラジオ番組で共演した際、「世界に通用する日本一のスタジオを引っ張る鈴木プロデューサーの仕事を見てみたい」という気持ちから、「ぜひ、鈴木さんに弟子入りさせてください!」とお願いしたところ、あっさりとOKをもらい、晴れてプロデューサー見習いになったという川上会長。何もかも新鮮なジブリでの生活では、学ぶことも多いという。
川上氏が代表取締役会長を務める株式会社ドワンゴは、ニコニコ動画をはじめ、インターネット上における多彩なエンターテインメントコンテンツを提供している会社。その創業者である川上会長は、「ジブリはファンタジーアニメを作っている会社ですが、ファンタジックでまじめな作品を作っていても、現場はものすごく過酷で、常に誰かが怒られている感じの会社だと思っていたんです」と鈴木プロデューサーに弟子入りする前の率直なスタジオジブリのイメージを振り返る。しかし、そのイメージは初めてスタジオジブリを訪れたときに覆された。川上会長は、「社員の方みんな、ジブリのアニメに出てくるような、ほんわかとした人たちばっかりなんです! 時の流れが違う会社だと思いました(笑)」と改めてスタジオジブリの内部から受けたイメージを明かした。
また、川上会長は、スタジオジブリが企業負担で作った社員の子どもたちのための保育園にも言及。ある日、ジブリを訪れると、園で“お釜でご飯を炊いてみんなで食べるイベント”が行われていたそうで、「この園が実に素晴らしいんです。園では、月に1度、お母さん、お父さんとみんなで、お釜でご飯を炊いて食べるそうで……。すてきですよね! もうなんかずるいって感じで、ものすごく楽しそうで、素晴らしい会社だなという印象を受けましたね」とあたたかなイベントの様子を振り返った。
そんなスタジオジブリの企業としてのあり方に、川上会長も勉強になることが多いようで、「本当になにもかもが新鮮で、ジブリでの毎日がすごく楽しいんです! 刺激になります」と話す。また川上会長は、師匠である鈴木プロデューサーについても、「本当に面白い方なんですよ! 表現方法めちゃめちゃだし、ひどいことも結構言うし(笑)。一緒にいてすごく刺激になるんです。それから、約束の取り付け方や、人の動かし方といったビジネス上で勉強になる部分がすごくある」と語り、スタジオジブリでは、本当に刺激的な勉強の日々を送っている様子。一方、スタジオジブリでも、新作映画『コクリコ坂から』に関連して、ドワンゴなどが手掛け、六本木・ヴェルファーレ跡地に誕生した次世代型ライブハウス「ニコファーレ」でイベントを行ったり、イベントをニコニコ動画で生放送したりといった試みを行っており、川上会長の参入は良い刺激になっているようだ。「先日もある社員から、ジブリとドワンゴでこんなことをやりたいと企画書をもらったんですが、これ、ジブリのカラーに合わないからと却下しました。すっかり、ジブリの人になっています、いやむしろ、僕がジブリをネットから守る、という気持ちです」という川上会長の自信たっぷりの笑顔に、強力な味方を得たドワンゴ、そしてスタジオジブリの今後の発展を期待させられた。(編集部・森田真帆)
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