インディペンデント映画の母親的存在、ポリー・プラットさんが死去
映画『プリティ・ベビー』や『マップ・オブ・ザ・ワールド』の脚本を執筆し、さらに『ブロードキャスト・ニュース』や『ローズ家の戦争 』の製作総指揮を担当してきたポリー・プラットさんが亡くなったことがロサンゼルス・タイムズ紙によって明らかになった。72歳だった。
ポリー・プラットさんは、27日(水曜日)にブルックリンの自宅でルー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなったと、彼女の娘アントニア・ボグダノヴィッチが伝えたようだ。彼女は、元夫ピーター・ボグダノヴィッチのもと、映画『ラスト・ショー』や『愛と追憶の日々』などでプロダクション・デザイナーを務め、その後はプロデューサーとして『ブロードキャスト・ニュース』や『ハリウッド・トラブル』などの作品を手掛けてきた。
彼女は、1970年代のまだ女性が指揮を取ることの少ない時代に活躍し、その後の女性フィルムメイカーに影響を与えた逸材で、80年代にはジェームズ・L・ブルックスとタッグを組み、彼と共に幾つか作品を制作しただけでなく、ジェームズのプロダクション・カンパニー、グレイシー・フィルムズの副社長も兼任してきた。
このポリーの訃報についてジェイムズは「彼女は、ガソリンスタンドでガスを入れる際でも、誰かを監視しているような人物で、そんな彼女はチームワークの必要な映画では、必ずチームを機能させてきた。彼女がその場(撮影現場)に居ることが母親のような役割でもあったんだ。彼女にとって映画はすべてで、そんな彼女にはエゴイズムはなかったよ」とコメントを残している。ご冥福をお祈りしたい。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)