ショーン・ペン、『ツリー・オブ・ライフ』でのテレンス・マリック監督の演出は困惑だらけ
映画『ツリー・オブ・ライフ』で主演を務めているショーン・ペンが、テレンス・マリック監督の哲学的な演出に困惑していることを告白している。
ショーン・ペン出演映画『ツリー・オブ・ライフ』写真ギャラリー
マリック監督の6年ぶりの新作となり、今年のカンヌ映画祭では最高賞パルムドールを受賞した本作は、中年に差しかかった主人公ジャックが、幼い頃の、厳しかった父と優しかった母の記憶をたどっていくストーリー。炎や水、生命の誕生や天体などの映像が組み込まれ、哲学的な示唆に富んだ内容は、カンヌ映画祭で鑑賞した人々から賛否両論で受け取られた。
そんな中、ジャックを演じたショーンはフランスの新聞「フィガロ」紙のインタビューで、本作の撮影について、物語の構成がつかみにくく困惑だらけだったことを告白。「脚本はこれまで読んだ中で最も素晴らしいものだった。でも、スクリーン上ではそうは感じられなかったんだ。僕の意見としては、もう少し明確で対話的な流れだったら、その美しさやインパクトを損なわずにすんだかもしれない。正直言うと、僕自身この映画の中で何をしていたのか、僕が内容に加えるべきだったものは何なのか、今もわからないんだ。その上、テリー(マリック監督)本人もそれをはっきり説明できなかったんだからね」と胸のうちを告白。出演者としてこの映画を推薦したい気持ちの一方で、「先入観なしに見てもらいたい作品」と語った。(竹内エミコ)