鴻上尚史主宰の劇団「第三舞台」が10年ぶりに封印解除&解散決定!し烈なチケット争奪戦は必至!
2001年に活動封印を宣言していた鴻上尚史主宰の劇団「第三舞台」の封印解除、解散が決定し、最後の舞台「深呼吸する惑星」の制作発表会見が、5日、有楽町のImagineスタジオで行われた。会見には、主宰の鴻上、主演の筧利夫のほか、長野里美、小須田康人、山下裕子、筒井真理子、大高洋夫といった劇団員と、客演の高橋一生が出席し、復活に向けた意気込みを語った。
「それぞれが一人旅に出て、いろいろな人と出会い、言葉の通じない人や感性のまったく違う人と芝居をすることで、俳優も僕もより豊かになると判断して、10年間封印することにしました」との鴻上のコメントと共に人気劇団・第三舞台の封印が発表されたのは2001年の劇団結成20周年記念公演「ファントム・ペイン」でのこと。あれから10年の歳月が過ぎ、新作「深呼吸する惑星」と共に封印が解かれることが決定したが、主宰の鴻上は「同窓会、ノスタルジーなら意味がない。今のわれわれが何を感じ、思っているかを入れることができるなら、だからこそ新作をやることに意味がある」と今回封印を解除した動機を明かすが、同時にこれが解散公演となることも発表されている。
第三舞台の旗上げは1981年で、早稲田大学演劇研究会を前身とする。スピード感あふれるセリフ回しと場面転換、社会への鋭い風刺とそれを包みこむギャクの応酬が繰り広げられるエンターテインメント性に富んだ彼らの舞台は観客に熱狂的に迎えられ、一躍人気劇団の仲間入りを果たした。劇団の封印後も、劇団員たちはドラマ、映画、舞台など各方面で活躍。特に筧の躍進は著しく、鴻上も「中身は変わってないけど、経験値がでかくなったと思います。この10年で帝劇の主役まで上り詰めたのはすごいと思いますし、誇りだと思います」とうれしそうな笑顔を見せていた。
伝説の劇団・第三舞台の封印解除は反響が大きく、「号泣した」「10年ぶりに芝居を観たいと思った」といった熱烈なファンのコメントが飛び交っているが、そんな声に対して鴻上は「そんなに過剰な感情移入して、期待してはいけません。僕らは粛々と、それなりの衝撃を与えたいと思いますが」とファンに向けてメッセージを送った。本舞台の一般前売り開始は9月17日から。し烈なチケット争奪戦が予想されるが、鴻上も「明らかに席が足りないので、ケアをしたいとは思っているのですが」とコメントすると、筧も「当日券の席をどうするか、補助席をどうするか。すでにけいこよりも先のことを考えています」と心配そうな表情。台本は現在執筆中とのことだが、「とりあえず現時点で言えるのは、たぶんSFになるだろうということです」とのこと。10年ぶりの舞台に、期待が高まる。(取材・文:壬生智裕)
「第三舞台」封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」は11月26日からの紀伊國屋ホール公演を皮切りに大阪、東京、福岡の全4会場で公演予定