瑛太が実在の爆弾魔に!鬼気迫る演技で圧倒!豊田利晃監督と、故原田芳雄さんも熱演の『ナイン・ソウルズ』以来8年ぶりのタッグ!
『青い春』『蘇りの血』の豊田利晃が監督を務め瑛太が主演を務める『モンスターズクラブ』が現在行われている第36回トロント国際映画祭でワールドプレミア上映され、瑛太が鬼気迫る演技で爆弾魔を演じていることがわかった。
映画『モンスターズクラブ』は実在の爆弾魔、セオドア・ジョン・カジンスキー(別名:ユナボマー)の生涯に着想を得た作品で瑛太は、主人公で爆弾魔の垣内良一を熱演する。また、その兄を窪塚洋介が務め、豊田監督の『蘇りの血』で美少女として注目を集めた草刈麻有、KenKen、松田美由紀、國村隼が瑛太の家族である垣内の人々を演じ、アーティストのピュ~ぴるも参加する。
豊田監督は、瑛太の映画デビュー作『青い春』でタッグを組み、故・原田芳雄さんが熱演を見せた2003年公開の映画『ナイン・ソウルズ』でも再び観る人たちの心に重い杭を打ち込むような男たちの重厚な人間ドラマを見せてくれた。そしてその『ナイン・ソウルズ』から8年ぶりにタッグを組んだこの二人が見せる映画『モンスターズクラブ』には、一人の人間を丁寧に描きながらも社会全体のシステムの矛盾を問いかけていくという壮大なドラマに仕上がっている。
豊田監督はこの爆弾魔の人物像に迫っていくうちに日本の現状を映し出すかのような社会のシステムに気がつき呆然としたらしく、「爆弾魔ユナボマー(Unabomber)の犯行声明文『Industrial Society and Its Future』を読んで驚いた。彼が危惧していた社会システムの末路は日本の現状そのものだった。正しい行いとは何なのか? 正しい生き方とは? そのことを見つめたくてこの映画を作った。この映画が現代社会を生きるすべての人の心の憂いに届くことを祈っています」と観客に訴えた。
物語の基になった「ユナボマー事件」は、カリフォルニア大学の元助教授で11才でIQ167という頭脳がきわめて優れていたセオドア・ジョン・カジンスキーが山中の小屋にこもり、爆弾を作っては送りつけるという生活を送り、やがて三名の人命を奪う事件に発展。現在彼は逮捕され終身刑で服役中である。
そして本作の主人公である良一(瑛太)も企業やテレビ局に爆弾を送り続ける危険人物。ある日、奇妙な怪物と森で遭遇。それから夜毎、小屋に怪物が現れ、さらに死んだ家族たちも現れる。幻想に翻弄されながら、良一は日本の首相に最後の爆弾を送ろうとするが、その夜、自殺した兄(窪塚洋介)が小屋に現れ戸惑う良一を導き、家族の真実を知ることになる。(編集部・下村麻美)
映画『モンスターズクラブ』は2012年公開