台風の影響で交通機関がマヒする中、松田美由紀ら舞台あいさつ敢行!「嵐を呼んですいません」
21日、渋谷のユーロスペースで映画『MADE IN JAPAN こらッ!』完成披露試写会が行われ、台風15号の影響で首都圏の交通機関がマヒ状態にある中でも来場した観客のため、本作に出演する松田美由紀、大西礼芳、伊藤菜月子、高橋伴明監督が舞台あいさつを行った。
この日は、台風15号の影響でJR山手線をはじめ東急東横線、東京メトロ銀座線など渋谷を通過する各電車が運行を見合わせ。タクシー、バスなどの各交通機関もほとんど進まないなどマヒ状態。そんな状況の中、劇場までたどりつける観客もそれほど多くはなく、予定されていた司会者さえも来場できないという緊急事態に、一時は中止も検討されたというこのイベント。しかし「こんな中でも、せっかく来場してくれたお客さんがいるんだから……」ということで、通常通り舞台あいさつが敢行されることになった。壇上に立った高橋監督は「本当にこんな大変な日にありがとうございます。311のときも、台風12号のときも、なぜか日本にいなくて、こういうことを避けるタイプなのかなと思っていましたけど、これはきっと松田美由紀のせいでしょう」と冗談交じりにあいさつ。一方の松田も「今日は本当にすいません。嵐を呼んでしまって」と笑顔で返すなど、荒れ模様な天候とは裏腹に、なごやかな雰囲気の中あいさつは始まった。
本作は、およそ50名の京都造形芸術大学 映画学科の学生とプロのスタッフ、キャストが手を組む映画製作プロジェクト「北白川派映画芸術運動」の第2弾。同学科教授でもありメガホンを取った高橋監督は「映画は作るだけでなく、人に観てもらうまでが映画なんだということが最重要テーマだと思う。今日みたいな日にぶつかってしまったけども、たまたま台風が来たからと思わずに、試練の象徴だと思ってほしい」と学生たちを戒める。一方の松田も「ものを作るという意味では、学生もプロも関係ない。皆さん一生懸命だったし、それこそがパワーとして強いんだと思う。中途半端にわかったような現場よりも、よっぽどいいですね」とキッパリ。高橋監督も「美由紀が学生俳優たちをうまくリードしてくれたから、俳優指導、役者指導は楽だった」とコメントするなど、現場の精神的支柱として松田が果たした役割は大きかったようだ。そして最後に松田は「今は震災があって、真実って何だろうと、いろんなことで政治不安を抱いている時期ですよね。そんな時代に正直に生きていくこと、個性を開放していくことって意外に価値があるんじゃないかと感じてもらえたらいいですね」とひと癖ある本作をアピールしていた。
本作は、とある一家が、祖母の死をきっかけに崩壊していくさまをシニカルに描いたホームドラマ。松田美由紀と、撮影当時同学科1回生だった大西礼芳が主演している。(取材・文:壬生智裕)
映画『MADE IN JAPAN こらッ!』は9月24日より京都シネマにて、10月1日より渋谷のユーロスペースにて全国順次公開