『ムカデ人間』からこわもてラッパー!ハリウッド俳優・北村昭博、初の日本映画『サイタマノラッパー』最新作の熱い現場を語る!
ハリウッドを中心に活動し、主演映画『ムカデ人間』が日本でも異例のヒットとなった俳優・北村昭博が、「日本の才能と世界で勝負したい」という思いで参加する入江悠監督最新作『SR サイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者』の、キャストとスタッフが役割を越えて協力し合う熱い撮影現場の様子や作品にかける思いを語った。また本作は、現在数千人規模のエキストラを募集中だ。
本作は、レコード店もない田舎町に住む、カッコ悪いけど愛すべきラッパー青年たちの日々を切なく温かく描く青春映画の3作目。過去の2作を観て入江監督の才能にほれこんだ北村は、いつか一緒に仕事がしたいと自ら監督に伝え、本作をオファーされた。演じるのは、東京で活動するこわもてラップチームのメンバー。アメリカにいるときから肉体づくりに励み、本場黒人ラッパーたちからラップを学習、外見もガラリと変えて撮影に臨んでいる。
熱望していた入江組との撮影について北村は「本当に幸せです」と一言。入江監督について「人を引きつける力があると思うんです。やってやろうという思いが伝染するというか」と語り、「皆ほとんどタダ働きみたいな感じですごく働いて、それはやはり監督の魅力というんですかね。デカいことやってやろうみたいな熱さがあるからですよね」と予算のない中、監督をはじめスタッフ全員が情熱を持って撮影に臨んでいることをうかがわせた。
ストレートで重みある言葉をかける入江監督の演出には「怒鳴ったりとかネガティブなことはまったくしない人。でも、監督としての威厳がハンパじゃない」と怖さをも感じてもいるという北村。一方、役者としての自分を楽しんでくれているとも感じているそうで、「いちいちムチャぶりが多い。重いブロック持ちながらラップしろとか。めっちゃ重いのに何回もテイクを撮るから、もう突き指しちゃって」と苦労がうかがえるエピソードを笑顔で明かした。ちなみにブロックを持つというアイデアは、一同が集まったお酒の席で生まれたもの。自前で用意が基本の本シリーズの理念にのっとり!? 北村は次の日に自らブロックを購入、現場に持ち込んでいたという。
連日ハードな撮影が続く現場では、乱闘シーンの撮影中、ほかの役者の指輪をはめた拳が北村の顔面に当たってしまい、救急車で運ばれるというハプニングも。「拳が入ったとき、皆凍りついたんですよ。でも、そこで止めちゃったらそのカットは使えなくなる。だから、皆演技を続けて、カットかかった瞬間にOKが出たんです」と振り返る北村。その瞬間は「このカット使われるんだ」と役者としてほっとしたそう。事故を防げなかったことの悔しさを感じる一方、「絶対に忘れられない体験になったって思いました」とポジティブさを見せた。アクシデントを境に、現場の結束もよりいっそう強まったそうだ。
そんなスタッフ全員で取り組む現場のテンションは、一般参加のエキストラにも伝染。撮影初日に行われたライブシーンの撮影では、その場の全員から望んだ演技を引き出すため、何度もテイクが重ねられた。OKが出たときは撤収時間をはるかに過ぎていたが、ベストな演技ができたことに、全員が喜びを分かち合ったという。そんな熱い撮影が続く本作について「(監督は)世界を目指してやっている人間なんで、同じようなものではなく、新しいものを作ろうとしている。でも、しっかりとファンを裏切らない形になっている」という北村の言葉は、本作が『ムカデ人間』に並ぶような、伝説の作品になることを予感させた。
映画『SR サイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者』は、9月23日と25日に埼玉県深谷市の日本レンガ工場跡地で行われる野外フェスシーンに参加できるエキストラを直前まで募集中。北村が「エキストラとは思わない、共演者だと思っている」と語るとおり、入江組の一員として、盛大な「祭り」に参加するチャンスだ。詳細はオフィシャルブログで確認。(編集部・入倉功一)