東日本大震災で、撮影が一時休止にたくさんのきずなに支えられた映画『DOG×POLICE 純白の絆』撮影秘話
映画『DOG×POLICE 純白の絆』で、主人公の警察官を演じた市原隼人とヒロイン役を務めた戸田恵梨香が、東日本大震災で撮影が一時休止になったときの思い、そして犬たちとはぐくんだきずなについて語った。
3月11日に東日本大震災が発生したとき、埼玉のロケ地で撮影中だったという市原。「とにかく、活気だけはなくしちゃいけないなって思っていました。撮影が再開しても、現場の熱だけは、ずっとキープさせたかったんです」とキャストやスタッフを先頭に立って引っ張る主役としての責任を感じていたことを明かした。一方、震災発生当時、都内で別作品の撮影をしていたという戸田は、「わたしは別の作品の撮影を終えてから、映画撮影に参加する予定だったんですが、撮影が休止になったっていうことを聞いて、すごく不安になりました」と撮影が3週間延期となった当時を振り返った。
警備犬訓練所のセットが作られていた茨城県笠間市のライフラインが断絶されたため、北関東を中心に予定されていたロケ地がほとんど撮影不可能となってしまったという本作は、阪神淡路大震災からの復興を目的として設立された神戸フィルムオフィスの協力で、神戸で撮影が行われることになった。そんな人と人とのきずなで完成までこぎ着けた本作。映画では、人と犬とのきずなも印象的だ。市原は、襲撃訓練の犯人役でかみ付かれるシーンの撮影で1週間アザが残ってしまったこと、戸田は40キロ以上もある犬に引きずられてしまったことなど犬との共演での苦労も明かしてくれたが、市原は「目がすごくかわいくて、犬もかみ付いてはいるけど、遊びの延長線上であることはわかっていたので大丈夫でした」と一言。撮影中、暇を見つけては、自分たちのバディ犬とじゃれ合って遊んでいたという。
東日本大震災でも活躍した災害救助、犯人制圧などの任務にあたる警備犬とハンドラーと呼ばれる警察官たちとの強いきずなを描いた本作。「この映画は、さまざまなきずなを描いています。親子のきずな、兄弟のきずな、いろんなきずなを描いているので、家族や恋人、友達など、誰かと一緒に行って、映画についてたくさん語り合ってもらうことで、人と人との架け橋になるといいなって強く思いました」という市原。愛する誰かを守りたい、そんな気持ちを思い出させてくれるピュアなきずなを描いた本作を鑑賞した後は、今一度、大切な人とのきずなを見つめてみてほしい。(取材・文:編集部・森田真帆)
映画『DOG×POLICE 純白の絆』は10月1日全国公開