深津絵里、笑っているのに寂し気な表情が印象的!「一度やるとやめられない!」とコメディーにハマったことを告白!-雑誌「SWITCH」
まもなく映画『ステキな金縛り』が公開される女優・深津絵里の特集が、10月20日発売の雑誌「SWITCH」2011年11月号で組まれている。今年は二つの三谷幸喜作品に出演を果たしている彼女の、コメディエンヌ(喜劇女優)としての魅力に迫ったもので、どこか悲しみを感じさせる笑顔のグラビアが印象的だ。
コメディエンヌ・深津絵里の真骨頂!映画『ステキな金縛り』写真ギャラリー
『踊る大捜査線』などのエンターテインメント作品に出演する一方で、2010年には『悪人』の演技で第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、今や日本を代表する女優の一人に成長した深津。その名も「笑わないコメディエンヌ」と題されたインタビュー記事では、今年、舞台「ベッジ・パードン」、映画『ステキな金縛り』と2作続けて三谷作品に出演した彼女がコメディーについてたっぷりと語っている様子が収められている。「日本できちんとしたコメディの映画をやれる機会は少ないですし、なかなかそういうチャンスもなくて」とこの1年における三谷作品との出会いが実りあるものであったことを振り返ると、「コメディは一度やるとやめられなくなるってよく聞きましたが、その意味がわかりました」とその魅力にどっぷりとハマってしまったようだ。三谷からも、コメディー作品にずっと携わっているうちに、「それはもうコメディエンヌの思考ですね」と言われたという。
その三谷も、チャールズ・チャップリンやバスター・キートンなどに代表されるコメディアンとは対照的に、世界を眺めてみても「コメディエンヌってすごく少ないように思います」と別のインタビューで語っており、深津への賛辞を惜しまない。「もちろんコメディエンヌとしても優れた資質を持っていらっしゃるとは思うけど、それに加えて彼女の不思議なところは、どことなく哀しみがあるということなんですよね」と三谷がその魅力について言葉を尽くしているように、表紙やグラビアページを飾っている彼女の表情は、たとえ笑みを浮かべていたとしても、何か胸に迫るものがある。思えば、舞台「ベッジ・パードン」における役柄でも、表面上は明るく振る舞っていながらも、クライマックスでは寂しさを観客に共有させていた。同作ではイギリスという階級社会における下層民という役柄はあれど、理屈よりも何よりも、表情や身振りで表現することができるのが深津の強みなのだろう。
それら女優としての活動に言及する一方で、『ステキな金縛り』で共演した西田敏行は、深津のことを「基本的に深津さんは寡黙ですよね。あんまりべらべら喋ったりしませんもんね」と評する。同特集では、そういった深津の人間的な一面にも同特集ではふとした拍子に触れている。
これまでにも同誌は1999年、2008年と深津を特集してきた。1999年といえば、当時は「水原里絵」名義だった深津の映画デビュー作『1999年の夏休み』からちょうど10年を過ぎたあたりであり、女優としても上り調子だったころ。円熟期に差し掛かりつつある深津を追ってきた同誌だからこそできた、見どころ、そして読み応えがたっぷりの特集記事となっている。(編集部・福田麗)
雑誌「SWITCH」 Vol.29 No.11(2011年11月号)は10月20日発売 税込み価格:819円