アップル、iCloudを利用した映画利用サービス開始を準備中
米アップル社は、iTunesによって配信された映画を、新たに導入したオンラインサービスiCloudを利用して同社デバイスで楽しむことができるサービスを、今年の後半から来年初頭にもスタートさせる準備をしていると12日、ロサンゼルスタイムズ紙が報じた。
iCloudは、音楽、写真、書類などを保存して、アップル社の各デバイスで共有するクラウドサービス。同紙によれば、すでにアップルはiTunesで購入した映画を、iCloudを経由してiPadやiPhoneで視聴することができるようにするため、ハリウッドの大手スタジオとの交渉を進めているという。
また、現在米ワーナー・ブラザーズや20世紀フォックスなどハリウッドのスタジオは、「ウルトラバイオレット」(UltraViolet)というクラウドサービスを推進。映画のデジタル配信の普及と売り上げの上昇を狙っている。実際、米ワーナーが『モンスター上司』や『グリーン・ランタン』、ソニーが『スマーフ』といった作品を、同サービスの対応タイトルとして提供するなど、調整も行われている。
アップルは現在このサービスに参加していないものの、タイムズ紙では、アプリによって、「ウルトラバイオレット」のコンテンツを同社のデバイスで楽しめるようにすることを検討中としている。また同紙は、iTunesで購入した映画は、アップル社のデバイスでしか視聴ができないことにも言及、ユーザーが、同社の製品を継続的に使用するよう仕向ける狙いもあるとしている。同社の代理人は、この件に関してコメントを拒否しているとのこと。また、日本での運用については触れられていない。(編集部・入倉功一)