ブラピ、生涯役者宣言!「だって監督業は大変だもん!」
映画『マネーボール』で、メジャーリーグに革命を起こした実在のGM(ゼネラルマネージャー)を好演し、プロデューサーとしても名を連ねたブラッド・ピットが、役者・製作者としての映画作りついて語った。
本作は、若くして貧乏球団アスレチックスのGMとなったビリー・ビーンが、これまでの野球界の常識を覆す理論を用いて、チームを常勝軍団に作り変えた実話を映画化したもの。野球界の古い体質に対し、孤高の戦いを挑んだ男の姿をドキュメンタリー・タッチで描いた作品。
ブラピ演じるビリーは、将来を嘱望されたメジャーリーガーだったが結果を出せずに引退したという過去を持つ。しかし、ブラピ自身は「学校で野球はやったけど、ケガをして顔を18針も縫ったんだ。今では野球の試合もあまり見ないね。子どもたちとキャッチボールをするのは好きだけど」と、あまり野球には思い入れがないようだ。だが、ノンフィクション作家のマイケル・ルイスが書いた原作本「Moneyball: The Art of Winning an Unfair Game(マネーボール:不公平なゲームに勝つ方法)」は夢中になって読んだという。
というのも、ブラピはこの本をただ野球の裏側を描いたものとはとらえておらず、「従来のシステムに疑問を抱き、立ち向かう男たちの話だ」と評価しており、その上で「こういう作品を映画にするには、ベネットのような人材が必要なんだ」と、メガホンを取ったベネット・ミラー監督を絶賛。「ベネットは、ドキュメンタリー的な感覚と手法を用いて映画に臨むんだ。お決まりの映画になってしまう可能性もあったのに、とても信ぴょう性の高い、卓越した作品になった。すべてベネットの手腕だよ!」と、すっかりミラー監督にほれ込んだ様子。
そんなブラピは「プランBエンターテインメント」という制作会社を持っており、積極的に才能ある若手監督と組むなど、映画作りに並々ならぬ情熱を燃やし続けている。将来的にはクリント・イーストウッドのように監督として活躍することも考えられるが、「(監督業は)やりたいとは思わないね」と一蹴(いっしゅう)。「相当しんどい思いをするのがわかっているからね。結構良い作品を作るんじゃないかと思ったりもするけど、汗と苦悩にまみれた3年間を過ごすなんて僕にとって、健全な状態じゃない」と、生涯役者宣言! そして、「(監督業に進出したら)家族と過ごす時間もなくなってしまうしね。僕は今のままで、かなり幸せなんだ」と愛にあふれる家庭人の顔をのぞかせた。(杉浦真夕)
映画『マネーボール』は11月11日より丸の内ピカデリーほか全国公開