狂気のバトンタッチ!園子温監督が生んだ怪優でんでん×冨樫真がヒット祈願!
5日、世界各国での公開が予定されている話題作『恋の罪』の公開を12日に控えた記念イベントが、テアトル新宿で行われ、園子温監督および、前作『冷たい熱帯魚』で恐ろしい殺人鬼を怪演した俳優のでんでん、そして『恋の罪』で昼と夜でまったく違う顔を持つ大学助教授を狂気的に演じた女優・冨樫真が参加。園監督が誕生させた“最狂”の男女による、ヒット祈願「お札フラワーレイ」のバトンリレーが行われた。
人間の内面にある狂気や執着など、人が表面にあまり出したくない感情をえぐり、登場人物を、非常に「人間らしく」描いていく園監督。そんな監督の作品の中でも、観客に強烈なインパクトを与えた映画『冷たい熱帯魚』に登場した村田幸雄という連続殺人犯。その男を演じたでんでんは「とにかく一人でしゃべり続ける役で、自分でもよくセリフを覚えられたな」と現場での思い出を振り返る。そんな村田という役に冨樫は「もしわたしが村田に出会ったら、抵抗できずにやられてしまいますね」とそのキャラクターのすごさを語る。
一方、最新作『恋の罪』で、昼夜まったく違う顔を持つ女、大学助教授・尾沢美津子を演じ切った冨樫は、映画と同じ衣装と狂気を想像させるメイクで登場。それを見たでんでんが「冨樫さんの(劇中での)豹変ぶりがすごかった。パワーあったよね」と絶賛。園監督が描き出した人物像が、どれほどすごいものかを想像するに足る雰囲気をかもし出していた。
そんな個性あふれる人物像を作り上げる園監督だが「怖いだけのキャラクターは人間的魅力に欠けると思うので、ユーモアーを持たせたり、なぜそうなってしまったのかという背景をセリフなどに取り込んで(観客に)共感を得られるように努力しています」と人物造形のコツを表現する。また、公開を控えた映画『恋の罪』のヒット祈願として、でんでん演じる村田と冨樫演じる美津子の役どころのキーワードとなった「お金」にちなんだ「お札フラワーレイ」のバトンリレーが行われた。
『恋の罪』は、1990年代に渋谷区円山町のラブホテル街で実際に起きたエリート女性殺人事件をモチーフに制作された作品。事件に絡んだ3人の女性たちの数奇な運命を、サスペンス仕立てに描く。事件を追う刑事・和子に水野美紀、大学のエリート助教授に冨樫真、そして人気小説家の妻・いずみに、先日、園監督と婚約を発表した神楽坂恵がふんする。(磯部正和)
映画『冷たい熱帯魚』は11月11日までテアトル新宿にてアンコール上映中
映画『恋の罪』は11月12日よりテアトル新宿ほか全国公開