自由の女神がブロンズ色!? NYの間違い探しができるパラレルワールドが話題の「FRINGE/フリンジ」!
時空を超えた壮大な謎に挑むSFスリラー・シリーズ「FRINGE/フリンジ」の映像に隠された、作り手の遊び心があふれた“間違い探し”が話題を呼んでいる。複雑な物語にスピーディーな展開もさることながら、サード・シーズンで最もファンを喜ばせていることの一つが、こちら側とあちら側の似て非なる二つの世界=パラレルワールドの映像における“間違い探し”。こちら側と遺伝子のレベルでは同じ人間が存在するあちら側の世界は、一見するとほとんど同じだが歩んできた歴史に違いがあるため、よく見ると微妙に違っている部分がある。この描写が、いかにも本作のクリエイターの一人であるJ・J・エイブラムスやスタッフこだわりのギミック満載で実に楽しいのだ!
「FRINGE/フリンジ」<サード・シーズン>ブルーレイ&DVD コンプリート・ボックス特典映像
例えば、ニューヨークの風景。リバティー島にある自由の女神像は、本来は銅製の緑色(たいまつの部分のみゴールド)だが、あちら側ではなんとブロンズ。マンハッタン名物イエローキャブの広告には、ミュージカル「CATS」ならぬ「DOG」の文字が。また、あちら側では同時多発テロが起きていないという設定なのでワールドトレードセンターが今でも高くそびえているし、国防総省の長官の座に就いているもう一人のウォルターの机の上には、年を取ったジョン・F・ケネディの写真が! どうやらケネディ暗殺も、あちら側では起きなかったようだ。
20ドル紙幣に印刷されている肖像も違う人物だし(双方を比べると痛烈な皮肉が効いていることがわかる)、アメコミ「グリーン・ランタン」はあちら側では「レッド・ランタン」になっているところにも思わず笑ってしまう。また、飛行船が交通の手段になっていたり(エンパイア・ステートビルが発着のドックになっている)、あちら側のオリビアたちが空間のひずみを測るエアスキャナーには、わたしたちがよく知るおなじみの道具が組み合わされて作られている。種明かしを知ると「そうだったんだ!」と思わずニヤリとさせられること必至の制作裏話が、サード・シーズンのブルーレイ&DVD コンプリート・ボックスの特典映像で見ることができる。
その中でウォルター役のジョン・ノーブルは「本作の本当のヒーローは、美術スタッフだ」とスタッフの仕事を絶賛しているが、さまざまな工夫を凝らしたディテールや視覚効果を使った映像の面白さはサード・シーズンにおける最大の見どころの一つ。ただし、この特典映像で知ることができるギミックはほんの一部。本編に詰め込まれているこの何十倍もの映像の仕掛けの数々は、一度観ただけで網羅することは不可能なので繰り返し観て、新たな発見にチャレンジしてほしい。(文・今祥枝)
DVD「FRINGE/フリンジ<サード・シーズン>」は11月2日より発売(レンタルもあり) 「ブルーレイ コンプリート・ボックス」(4枚組)価格:24,500円(税込み)、「DVD コンプリート・ボックス」(12枚組)価格:19,600円(税込み)
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ