原作者・中田永一が「原作よりいいところがたくさん」と太鼓判!『吉祥寺の朝日奈くん』の魅力!
人気作家・中田永一名義で発表した同名恋愛小説を映像化した映画『吉祥寺の朝日奈くん』を、原作者の中田氏が「原作よりいいところがたくさん」と絶賛していることが話題になっている。自身、安達寛高名義では映画作品を発表していることもあってか、中田氏は出来上がった映画を観て、「ああ、こうすればよかった、と何度も思いました」と刺激を受けたことを明かしている。
中田永一というのは、『GOTH』『ZOO』など次々と映画化されている人気作家乙一の別名義であり、恋愛小説が中心となっている中田永一名義の作品が映画化されるのは本作が初めてだ。原作小説は、約5年間住んでいた吉祥寺を引っ越すことが執筆のきっかけとなったという。中田氏はそんな思い出深い吉祥寺の街について「一言では言えない、悲喜こもごも詰まった街だと思います。聖と俗、きれいな部分と汚い部分が混在し、濃縮されている感じがある。これは短い時間ではなく、何十年もかけて積み上がってきたもの。だからこそ魅力的なのではないでしょうか」と評している。
そのように原作者の思いが詰まった作品だからこそ、映画の撮影が行われたのもすべて吉祥寺であり、井の頭恩賜公園はもちろん、吉祥寺サンロード商店街や吉祥寺ダイヤ街など地元の協力を得て制作が進められた。そうして出来上がった作品は原作者の中田氏も大絶賛。「とにかく原作よりいいところがたくさんあって、ああ、こうすればよかった、と何度も思いました」とコメントし、とりわけ原作にはない神田川沿いを歩くシーンがお気に入りだと明かすなど、その仕上がりに太鼓判を押している。一方で「ラストシーンの背景にクレープ屋が映っていましたが、あそこはいつも買いに行っていたところなんですよ(笑)」とトリビアを披露するなど、自分の思い出が作品に反映されていることも喜んでいる様子だった。
乙一・中田永一として以外にも、山白朝子名義で小説を書いていることをツイッターでは告白している中田氏だが、一方で本名の安達寛高名義では映画製作にも携わっていることはファンならばよく知るところ。同じく小説家の桜井亜美と開催した「乙桜学園祭」シリーズでは、「立体東京 3D-TOKYO」「一周忌物語」を発表。また、Production I.GによるCGアニメーション映画『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』では脚本を執筆するなど、多彩な活躍を見せている。
そのように映画にも一家言を持つ中田氏だからこそ、その絶賛コメントの信ぴょう性も増す。映画で主人公の朝日奈くんと山田真野を演じた桐山漣と星野真里のこともそれぞれ、「朴訥(ぼくとつ)として感じがよかったです」、「とてもかわいらしかったです(笑)」と称賛を惜しんでおらず、ファンの期待は高まるばかり。井の頭恩賜公園を舞台にしたという斉藤和義の「空に星が綺麗~悲しい吉祥寺~」が主題歌になっているのも、吉祥寺好きにとってはたまらない選曲だろう。
本作は、ミステリーやホラー作品で知られる乙一が中田永一名義で執筆した恋愛小説を原作にした作品。吉祥寺を舞台に、人妻・子持ちの女性に恋した青年・朝日奈くんの姿を描いている。(編集部・福田麗)
映画『吉祥寺の朝日奈くん』は11月19日より吉祥寺バウスシアター、ユーロスペースほかにて全国公開