コンピューターを使いこなすおばあちゃんたちの会!80歳代でネット使いこなし国際会議に出席も「ネットで温かさは伝わる!」
12月3日より全国公開される映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の限定試写会が都内で行われ、近郊の「コンピューターおばあちゃん」が集まった。映画は昨年ヒットとなった『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』のシリーズ第2弾。三浦友和演じる富山地方鉄道の運転手が定年を目前にして、長年連れ添った妻が再就職を言い出して……というストーリーで、懐かしさを誘う車両と風光明媚(めいび)な富山の風景も併せて温かい余韻を残す作品だ。
「コンピューターおばあちゃんの会」は、その名の通りコンピューターで交流し、インターネットを使いこなす目的の同好会で、代表の大川佳世子さん(81歳)は、海外で開催される国際会議に出席するなど、コンピューターで豊かな定年後を送っている「ネット使い」だ。一般的なイメージでのデジタルな交流と、この映画の温かさは、質が異なるように思われるが「コンピューターで伝えられないものはないですよ。温かい、胸を打つ、涙が流れる、全部伝わります。伝わらないのは、慣れていないだけ!」と熱く語る白井友和さん(81歳)に一同は大きくうなずく。「手書きでないと伝わらないということはないですよ。メールなら返事も速いんだから」。日々これを実践しているおばあちゃんたち(おじいちゃんも含む)は、毎日が忙しくてしょうがないと笑顔を見せる。
今年95歳の飯塚鉄雄さんは、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』を観て、「何度も涙が出たよ。戦前の教育を受けた僕らとかぶる部分があった。無骨な僕らの世代と、ちゃんと話し合わないとわからないという若い世代。映画には、古い時代のいい部分と悪い部分が見えた。TPP(環太平洋経済連携協定)とか、教育とか、問題をちゃんと理解して解決していかないとね」と世の中の流れにも目を向ける。「戦後はわたしたちも理解できて、言葉で言われなくても我慢できたんですよね」と話すのは代表の大川さんだ。映画のサブタイトルにかけて、「でも愛しているってちゃんと言葉で言ってほしいときもありますよ」と大川さんが言うと、「気分的にはちゃんとあるんだよ」と飯塚さんが応酬。鑑賞後は、感想を語り合うにぎやかな“オフ会”となった。(取材・文:浅来香)
映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』場面写真
映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』は11月19日より富山県先行上映の後、12月3日より全国公開