伊勢谷友介監督『セイジ -陸の魚-』予告編解禁!西島秀俊&森山未來の熱演と雄大な自然美がポイント!
俳優としても活躍する伊勢谷友介の監督第2作の映画『セイジ -陸の魚-』の予告編映像が解禁され、雄大な自然美を背景に繰り広げられる人間ドラマの一端が明らかになった。W主演を務める西島秀俊と森山未來の熱演はもちろんのこと、タイトルにもなっている「陸の魚」という言葉の意味など、一度目にしただけでも引き込まれること間違いなしの予告編映像だ。
今回解禁されたのは、2003年公開の映画『カクト』以来となる伊勢谷の監督作『セイジ -陸の魚-』の予告編映像。その中に登場する、西島演じるセイジは旧道沿いにあるドライブインの雇われ店主であり、「この世で生きることをあきらめてしまった生きもの」であることから、「陸の魚」と評されている。本作では、そんなセイジと共に働くことになった森山演じる「僕」と周囲の人々の交流を描いている。
田園風景をはじめとする自然美がところどころに挟み込まれている一方で、人間同士が織り成すドラマは時に泥くささすら感じさせるもの。予告編に登場する「金持ちにならなきゃ、みんな不幸なんですよ」といったセリフや暴力描写などは一見どぎつく思えるものの、こういったものを通すことで初めて見える何かを伊勢谷は本作で描きたかったのだと思わせられる。第1作とは異なり、監督業に専念していることもあってか、役者の演技だけでなく、画面の隅々にまで注意の行き届いた映像は、知らず知らずのうちに引きこまれてしまうほどだ。
とりわけ、主演を務める西島と森山の熱演は見事であり、雄大な自然にも負けない存在感を発揮。脇を固めている裕木奈江や新井浩文、津川雅彦も今回の映像では登場機会こそ少ないものの、強烈な印象を残しており、人間ドラマに深みを与えることに成功している。監督として伊勢谷が最も力を注いだものの一つがキャスティングだといい、そのことが十分に感じ取れる予告編の仕上がりだ。
本作は、辻内智貴によるベストセラー小説「セイジ」を原作に、5年の月日をかけて映画化に取り組んだという作品。旧道沿いにあるドライブインでの人間関係を中心に、そこで起こった一つの事件が人々に影響を与えていくさまを描いている。(編集部・福田麗)
映画『セイジ -陸の魚-』は2012年2月18日よりテアトル新宿ほか公開