真矢みきの夫・西島千博が本職バレエダンサー役!更年期を迎える女性の心を扱う映画が凱旋帰国公開!
14日、東京・オーディトリウム渋谷にて、更年期を迎えた修道女がバレエと出会い、自らの人生に向き合う姿を情緒豊かに描く映画『不惑のアダージョ』特別試写会舞台あいさつが行われ、真矢みきの夫でバレエダンサーの西島千博、東京シティ・バレエ団所属の橘るみ、井上都紀監督が登壇、本作の見どころや撮影中のエピソードを語った。
本作は、神に仕える人生を送ってきた修道女(柴草玲)が40歳となり、性や老いに対して心身共に少しずつ変化していく様を、丁寧に映し出すヒューマンドラマ。2008年に短編作品で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞した経験もある井上監督がメガホンを取り、海外で高く評価された。
今回の特別試写会では、「日本の一般のお客様に観ていただくのは初めてになるので、とてもうれしいです」と井上監督。「今まで(この作品は)海外を回ってきて、異国の方々に好評をいただいていたのですが、どうしても日本で着地させたかった」と笑顔を見せ、自国での公開を心から喜んでいる様子。
劇中では特にバレエが重要な役割を占めるが、井上監督は「日本でバレエを誰よりもきれいに撮れる監督になろうと思った」と言うほどのバレエ好き。バレエシーンを撮影するにあたって、「本物の人たちに、実際に生業にしているものを演じてもらうのは、それ以上の説得力はない」との考えから、現役バレエダンサーの西島と橘に白羽の矢が立った。
西島は、バレエダンサー役のオファーがあったとき、「ほらきた!」と思い、大喜びで即引き受けたそう。「バレエが主体ではないけれど、バレエシーンが大切な役割を果たすので興味があった。バレエは言葉がない分、体で表現することがメッセージ性も強くなる。そこが印象的になって、映画につながっていくんだなと思いました」と映画で初のバレエダンサー役を演じた感想を述べた。
その西島のパートナーとして踊るシーンを演じた橘は、井上監督が「すごくきれいにバレエを撮ってくださった」と大感激。「とにかく映像が芸術的にきれいなので、そこに注目してほしい」と語ると、井上監督が、「テーマは、女性が生きていくことです。最終的に自分を見つめて、自分を想定しながら観ていただけると、新たな日常が見えてくると思います」とアピールした。
映画『不惑のアダージョ』は、40歳にしてはじめて性や老いに向き合う女性の姿を、やさしい目線で追う心温まる作品。2010年の第39回ロッテルダム国際映画祭ではコンペティション部門となる「VPROタイガー・アワード」に選出、同年第5回ローマ国際映画祭の上映でも大評判となるなど、海外で高い評価を受けた。(取材・文:尾針菜穂子)
映画『不惑のアダージョ』は11月26日より公開