仲間由紀恵、高岡早紀のいじめは「たまらない感じでした」
28日、琉球王国が舞台の映画『劇場版テンペスト3D』の製作発表会見が六本木ニコファーレで行われ、劇中で孫寧温(そんねいおん)と真鶴(まづる)という2役を演じる主演の仲間由紀恵が、3Dホログラム映像によって2人同時に登場するというサプライズ演出で会場の度肝を抜いたほか、共演者の谷原章介と高岡早紀と共に故郷・沖縄トークを繰り広げた。
本作の原作はNHK BS時代劇でドラマ化されたほか、舞台化もされており、この度満を持しての映画化となる。会見の冒頭、真鶴の衣装に身を包んだ仲間が登場した直後、その隣には彼女が政治の世界に身を投じるため男性にふんした孫寧温が登場。本来なら同時に介することがない2人が、同じ舞台に立つというサプライズ演出で会場を沸かせた。この演出について、仲間は「孫寧温のりりしい姿を拝見できて……と言いたいところなのですが、実はわたしからは(孫寧温の姿が)見えていないんです。入念なリハーサルをして臨んだのですが、無事に息が合ってよかった」と笑顔で胸をなでおろしていた。
そんな会場をさらに盛り上げたのは谷原で、「沖縄には個人的に十回以上遊びに行っている」と沖縄好きをアピールした後、仲間に恋する自身の役柄にちなんで「仲間由紀恵さんが好きということが役柄と同じですね」と愛の告白(?)をして仲間の爆笑を誘う。一方、真鶴と敵対していじめ抜くという役柄の高岡が「『もっと、もっと!』って監督から言われて、『そんなにいいんですか?』って(くらい仲間をいじめ抜いた)」と笑いながら撮影を振り返れば、仲間も「わたしが何か喋るたびに、『うるさい!』『黙れ!』『静かに!』って(高岡に)いろいろなことをずっと言われ続けたのですが、それがたまらない感じでした」とまんざらではない笑顔を浮かべていた。
ところで劇中で仲間が演じる真鶴は、独立国家として琉球王国の地位を築こうと奔走する女性だ。自身も沖縄出身である仲間は、撮影中は真鶴の気持ちが自然と乗りうつったらしく「撮影中は『わたしが沖縄を救う』という気持ちで毎日臨んでいました。わたしの生まれ故郷の沖縄が、琉球王国からどんな流れで沖縄になったのか体験させてもらい、一生の大切な財産になりました」と真摯(しんし)に語り、改めて故郷への想いをはせていた。
『劇場版テンペスト3D』は19世紀の琉球王朝を舞台に、男として生きる運命を背負った女が繰り広げる波乱万丈の物語。主人公が巻き込まれていく政争や女の嫉妬、立場や性別を超えた恋などが圧倒的なスケールで描かれる。(肥沼和之)
映画『劇場版テンペスト3D』は2012年1月28日より丸の内ピカデリーほか全国公開