『リアル・スティール』ロボット“ATOM”が日本上陸!実際の撮影に使われた本格仕様!
スティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークスによる映画『リアル・スティール』に登場する旧式ロボット“ATOM”が、今月末に行われるジャパン・プレミアのため、来日していることが明らかになった。ハリウッドの一流スタッフが手掛けたデザインを基に設計・制作されたという“ATOM”は、実際の撮影でも用いられたというロボットだ。
“ATOM”は劇中、ヒュー・ジャックマンとダコタ・ゴヨ演じる父子がゴミ捨て場で発見した第2世代ロボットという設定。2020年が舞台になっている本作では、2014年製の“ATOM”は旧式であることに加え、ロボット格闘技のスパーリングに用いられるトレーニング用ロボットということで最初はほとんど誰からも見向きもされない。だが、主人公の父子は、そんな“ATOM”を介することで心を通わせていくことになる、まさに本作の鍵を握るキーパーソン、もといキーロボットといえる。
11月29日のジャパン・プレミアのために来日を果たしたのは、実際の撮影にも用いられた“ATOM”で、製作者サイドによると、そのスペックは高さ約2メートル40センチ、重さ約136キロ。製作総指揮を務めたスピルバーグが「可能な限り、フルサイズのロボットを作るべきだ」とこだわったため、本作のためには19種類のロボットが設計され、実際に4体が作られたが、この“ATOM”はその貴重な1体だ。制作に5か月がかけられたというそのディテールは素晴らしく、ボディーパネルの継ぎ目からは内部構造が見えているなど、実にロボットらしい仕上がりに。初めて実物を前にしたヒュー・ジャックマンは、子役のダコタ・ゴヨに負けないくらい目を輝かせたことを告白している。
そんなメカ・ファンにはたまらない“ATOM”。だが、ファンが何よりもうれしいのは、来日中の“ATOM”が、ゴミ捨て場で発見されるシーンやジムの前で洗浄されるシーンの撮影に使われたものであるという事実だろう。映画を観ればわかるように、この二つのシーンは父子関係、そして物語の大きな転機となる重要な個所。つまりファンは、この“ATOM”を見ることで、劇中に紛れこんでしまったかのような感覚が味わえるのだ。
本作の主人公である父子はそれまで一緒に暮らしていなかったということもあり、物語の最初ではうまくコミュニケーションを取ることができない。だが、父親はまるで息子と対するように“ATOM”にボクシングを教えることで、息子は“ATOM”にかつて天才ボクサーだった父親を重ねることで、父子は徐々にそのきずなを深めていく。感情のないロボットであるはずの“ATOM”と心を通わせる場面では、「僕が仕事をした最高の役者の一人だったね」とヒューが語るように、“ATOM”はまるで生きているかのような存在感を発揮する。それもすべては“ATOM”の制作過程でディテール一つ一つをおろそかにせず、作り上げたからにほかならない。ジャパン・プレミアはそんな実物の“ATOM”を観られる貴重な機会となっている。(編集部・福田麗)
映画『リアル・スティール』は12月9日より全国公開