イギリステレビ/映画界の重鎮ケン・ラッセルさんが死去 『恋する女たち』『肉体の悪魔』『マーラー』など代表作多数
映画『恋する女たち』『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』などでおなじみのイギリステレビ/映画界の重鎮ケン・ラッセルさんが今月27日に亡くなっていたことが、BBCニュースによって明らかになった。死因は脳卒中だったという。
1927年に生まれたケン・ラッセルさんは、イギリス空軍に入隊した後、バレエダンサーや俳優を志すが断念し、結局は写真分野でキャリアを積んだことが評価され、BBCでテレビ映画を制作し始める。1970年に公開されたD・H・ロレンス原作の映画『恋する女たち』が第43回アカデミー賞監督賞にノミネートされ、さらに映画『マーラー』や『バレンチノ』などの伝記映画で名をとどろかせた。その一方で、映画『肉体の悪魔』などに代表されるスキャンダラス作風が大きな話題に。近年は、テレビ映画やドキュメンタリー作品を多く手掛けていた。日本では映画『クライム・オブ・パッション』や『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』といった作品がカルト的な人気を誇っている。
彼の息子アレックス・ヴァーニー=エリオットは、死に際について「笑顔のまま亡くなった」とコメント。直前までケン・ラッセルさんは「不思議の国のアリス」のミュージカル映画にかかわっていたようで、もう新しい作品を観られないことが残念で仕方ない。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)