テレビドラマ「女検死医ジョーダン」の主演女優ジル・ヘネシーが、新作映画で歌を披露!女優になる前は、ストリート・ミュージシャンだったことを告白!
アメリカの人気番組「女検死医ジョーダン」で主役を演じて名をはせたジル・ヘネシーが、新作『ローディー(原題) / Roadie』について、映画『SUPER 8/スーパーエイト』のロン・エルダードとともに語った。
同作は、20年以上もバンド「ブルー・オイスター・カルト」のツアーの仕事を手伝ってきた男ジミー(ロン・エルダード)は、ある日突然バンドから解雇され、母親が住むニューヨークのクィーンズ区に戻ってくる。だが、そこでかつての恋人ニッキー(ジル・ヘネシー)と彼女の夫ボビー(ボビー・カナヴェイル)と再会したことで、ジミーの心は揺れ動き、彼らと複雑な関係に陥っていくというドラマ作品。この映画のタイトルであるローディーとは、バンドのツアーに技術や個人的なサポーターとして参加する人々を指している。
ロン・エルダードはこの役のために、実在するハードロックバンドのブルー・オイスター・カルト(バンドの結成は1967年で、今でもロングアイランドで演奏している)にローディーとして参加したそうだ。「最初にマイケル・クエスタ監督に電話で、ブルー・オイスター・カルトのコンサートにローディーとして参加させてもらいたいことと、その場で僕がローディーとして活動しているシーンを撮影できるか彼らに頼めないか聞いたんだよ。すると、彼らブルー・オイスター・カルトは快く引き受けてくれたんだ。実際は、彼ら5人のメンバーに僕一人が加わって、彼らの荷物を運んだりしていたが、残念なことに高額なギターだけは触らせてもらえなかったんだ!(笑)」と貴重な体験だったことを告白した。
この映画で歌を披露しているジル・ヘネシーは「実は、女優になる前にストリート・ミュージシャンをやっていたの。昔から姉とよく歌っていたけれど、プロの歌手になれるとは思っていなかった。もちろんその頃は、女優にさえなれるとも思っていなかったけれどね。実際にストリート・ミュージシャンをやっていたのは18歳の頃で、家賃や演技を学ぶための学費に当てていたの。でも、ストリート・ミュージシャンをやるといろいろな人と出会ったりして楽しかったから、今でも私がかかわったこれまでの仕事の中で、ストリート・ミュージシャンの仕事が一番好きなの」と述べた通り、女優以外に今でも彼女は音楽活動をしていて、今度2作目のアルバムをリリースすることになっている。
映画『L.I.E』(日本未公開)で高い評価を得た監督マイケル・クエスタとの仕事についてジルは「監督のマイケルはリハーサルの過程を大切にしていて、撮影前に約1週間半掛けてリハーサルを行ったの。このような予算の少ない映画ではすごくまれな話よ。ただ、予算が少なかったためにドレッシング・ルームがなくて、教会などで着替えをしていた時があったけれどね(笑)」と答えると、ロンが「マイケルの脚本の構成はしっかりとしていたにもかかわらず、マイケルはセットで僕らに脚本の台詞を変えても良いよと勧めてくれていたんだ。それに対して僕らは、君(マイケル)の脚本を気に入っているから、頼むから変えないでくれと言ったほどなんだ!(笑)」と信頼できる関係をセットで築き上げたようだ。
映画は、現実と理想の狭間で生きる中年の人々が、誇張されずに描かれていて、ハリウッド作品では見ることの出来ない演出が魅力の映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)